ランボルギーニ・ウラカンの新世代モデル「ウラカンEVO」が国内デビュー!

ランボルギーニ ウラカンEVO

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かつては超弩級のスーパーカーをごく少数のみ生産していたランボルギーニだが、近年の発展ぶりには目を瞠らせるものがある。

特にV10エンジンを搭載するエントリーモデル「ウラカン」は、先代に当たるヒット作「ガヤルド」を大きく上回る成功を収め、ランボルギーニ躍進の原動力となっていることは誰しも認めるところであろう。

そしてこのほど、今年1月に概要とオフィシャル写真がリリースされたウラカンの最新世代モデル「ウラカンEVO」が日本でも正式発表されることとなり、CarMeもジャパンプレミア発表会を訪ねる機会に恵まれた。

文・武田 公実

武田 公実|たけだ ひろみ

かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッドで営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、クラシックカー専門店などで勤務ののち、自動車ライターおよびイタリア語翻訳者として活動。また「東京コンクール・デレガンス」、「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントにも参画したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム」ではキュレーションを担当している。

武田 公実
Chapter
中身が大幅に進化
エクステリア・インテリアは?
ランボルギーニの屋台骨を支える存在となるか

中身が大幅に進化

これまでエクストリームなキャラクターを身上としてきたランボルギーニに相応しく、この日のジャパンプレミアの舞台となったのは東京・六本木ヒルズ森タワー52階の「TOKYO CITY VIEW」という、新車の発表会場としては少々エキセントリックとも言える場所。
しかし、陽光がさんさんと降り注ぐ会場で初めて目にしたウラカンEVOは、従来のウラカンと比べると細かなブラッシュアップの積み重ねながら、よりランボルギーニ的なアヴァンギャルド感を強めたかに映り、あくまで私見ながらとても魅力的であった。

今回のプレゼンテーションのために来日したウラカンEVOのローンチプロジェクトマネージャー、ヴィットリオ・ミラノ氏にその感想を話してみたところ、「ソット・ラ・ペッレ(Sotto la Pelle≒中身)の進化は、外観の進化よりももっと凄い」と満面の笑顔で応えてくれた。
ウラカンEVOに搭載されるパワーユニットは、従来型ウラカンの軽量・高性能ハードコアモデルとして2017年に登場した「ウラカン ペルフォルマンテ」と同じ5.2リッターの自然吸気V10エンジン。最高出力640ps/8000rpm、最大トルク600Nm/6500rpmを発生する。

そして0-100km/h加速は2.9秒、0-200km/h加速9.0秒、最高速度では325km/hを超えるというパフォーマンスは、従来のウラカンのスペックを大幅に上回るものである。

しかし、ランボルギーニが今回のウラカンEVOで最もアピールしたいのは、シャシーやドライブトレーンの電子制御システムが大幅に進化を遂げたことのようだ。
まずは、2017年の「アヴェンタドールS」で初採用された後輪操舵「ランボルギーニ・リアホイール・ステアリング(LRS)」をウラカンとしては初採用。トルクベクタリングシステムとともに統合制御する「ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ(LDVI)」も採用した。

LDVIは、精度を向上させた加速度計とジャイロスコープセンサーでバージョン2.0にアップグレードされた「ランボルギーニ・ピアッタフォルマ・イネルツィアーレ(LPI)」と連動。

ミラノ氏曰く「それぞれの楽器が最高の音を出せるように全体の統括をするオーケストラの指揮者」のごとく、磁性流体サスペンションもLDVIがコントロールするという。

エクステリア・インテリアは?

一方エクステリアでは、大型化されたフロント・エアインテークや新形状のサイドエアインテーク。あるいは、現在も世界のGTレースやワンメイクレースで活躍中の「ウラカン・トロフェオ」あるいは「ウラカンGT3」から応用した上方排気システムに対応して刷新されたリアエンドなどが主な変更ポイントとなる。

そして、これらの空力的ブラッシュアップやボディ一体型のリアスポイラー、アンダーフロア形状の見直しなどにより、ダウンフォース量と空力効率は、従来型ウラカン対比で実に5倍にも向上したとのことである。
さらにインテリアでは、センターコンソールにタッチスクリーン式8.4インチモニターを新搭載。ナビシステムやエアコン/シートの温度調節、LDVI、マルチメディアなどの操作を行うことができる上に、「マルチフィンガージェスチャーコントロール」と呼ばれる指先を使ったアクションや、音声による操作も可能。

また「Apple CarPlay」などスマートフォン連動のインフォテインメントシステムにも対応している。

ランボルギーニの屋台骨を支える存在となるか

この1月、ウラカンEVOが発表された際には「従来型ウラカンに追加されるモデル」という報道もなされていたようだが、やはりウラカン・シリーズ全体の進化モデル、その名のとおりのエヴォリューションと見るのが正解のようだ。

この日登壇したもう一人のアウトモビリ・ランボルギーニ社スタッフ、カントリーマネージャーのフランチェスコ・クレシ氏に尋ねてみたところ、今後登場することになるであろうウラカンEVOスパイダーやウラカンEVOペルフォマンテなどの基幹モデルとなるとのこと。「このあとの展開にも期待していてください」と力強い答えが返ってきた。
一方でSUVのウルスは、日本国内では昨年後半からのデリバリー開始ながら、早くもランボルギーニの屋台骨を支える存在となっているのも事実。

しかし、このウラカンEVOに懸ける意気込みを知ると、そう簡単には主役の座を譲ることはないと実感させられた。

これからは、ウルスとともにウラカンEVOとそのファミリーが二枚看板となる。

その予測を再認識するジャパンプレミア発表会となったのである。
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