【MOTULに聞いた】余ったエンジンオイルはどうすればいいの?

【MOTULに聞いた】余ったエンジンオイルはどうすればいいの?

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――量販店などでは、4リットルのエンジンオイル缶を見かけますが、大抵余ってしまいます。持ち帰ったオイルはどのように保管したらよいのでしょうか。

「エンジンオイルはワインと同じだと考えていただければと思います。冷暗所で保管していただき、開封後は早めに使用して頂きたいです。まず、エンジンオイルは紫外線を極端に嫌いますので日陰に保管してください。透明容器のオイル缶がないのはそのためです。そして温度変化の少ない場所が望ましいです。暖かいことは心配していないのですが、冷えた時のことを心配しています。といいますのも、容器の中が結露して水が入ってきます。それを繰り返すのです。特に日本の冬は容器が結露します。そうなると予想できないことが起こるのです。蓋をしていても、油は漏れなくても水蒸気は通りますから。そしてオイル量が少ない容器内は、その分だけ空気が増えていますから、よりエンジンオイルが水に触れるリスクが増えます。シリカゲルで覆ったとしても吸湿はしても呼吸は止められない。カメラを保管する防湿庫などが理想になりますが、20リットルのペール缶を防湿庫で保管するのは現実的ではありませんからね。開封したら半年以内にお使い頂くことが望ましいです。またエンジンを長期間動かしてなくても、エンジンオイルが湿気を吸うことがありますので、定期的に交換した方がよいでしょう。」
 

――結露で水が入るということは、暖かくなるこれからの時期に、冬に痛んだエンジンオイルを交換したほうが望ましいということですね。

「そうですね。交換した方がエンジンにとっては好ましいことになります。」

 
――あとは余ったエンジンオイルは補充用として使う、という感じでしょうか。

「そうですね。ですが、今の車はほとんどエンジンオイルが消費しません。エンジンオイルが減るのは、高回転の連続走行をした時です。サーキットを走行するレーシングエンジンは結構減っています。レーシングカーはドライサンプ方式なので、オイルパンがスカスカになるということはないですが、長距離レースでは足していると思います。オートバイのレースは露骨に足していますね。」
 

――高速道路をよく利用する方はエンジンオイルが減る可能性がありそうですね。

「とはいえ日本の道路事情の場合、高速道路といっても100km/h程度で2000回転とか低い回転数で巡航しますよね。そういう場合は全然減りません。私が言っているのは、6000回転とか8000回転とかそういったレベルです。」
 

――となりますと、持ち帰ったエンジンオイルは早い時期に消費したほうかいい、つまりエンジンオイルを頻繁に入れ替えることになりますね(笑)。それはエンジンからしたら油が馴染んでいないなどのデメリットはないのでしょうか。

「デメリットは一切ありません。私たちのエンジンオイルはレーシングシーンで使われていますが、例えばSUPER GTとかは毎セッションごと、エンジンを動かす度にエンジンオイルを入れ替えています。つまりエンジンオイルは新しい方がいいのです。畳とオイルは新しい方がいいのです(笑)。ですので、距離に関わらず、例えば一か月ごとにエンジンオイルを変えた方がエンジンにはよいです。お財布にはよくないかもしれませんが(笑)」

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▶︎左が自動車用300V、右がオートバイ用300V。自動車にオートバイ用を入れても大きな問題は起きないが、その逆はよくないとのこと

――ちなみに余ったエンジンオイルを、同じ粘度で違う銘柄のオイル、または粘度の違う同銘柄のオイルと混ぜてもよいのでしょうか。

「私達がオイルを設計する時は、そういうこともありうることを前提とした試験も行います。混ぜて変なことが起きないということの規定がAPI規格にありまして、滅多なことでは変なことは起きません。ただし望ましいことではありません。エンジンオイル同士でしたら、鉱物油と化学合成油を混ぜても、まず変なことは起きないですが、エンジンオイルとギアオイルを混ぜるのはやめてください。同じ銘柄で粘度の違う物を混ぜて平均の粘度になるかというと、なる場合もありますし、ならない場合もあります。基本的には連続的に変化するのですが、通常は対数カーブのように下側にふれますので、柔らかい方向へ行きます。」

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余ったエンジンオイルは、お店の方に処分を依頼するか早く使い切った方がよいとのこと。そしてひと冬越したエンジン内のオイルは早めに交換した方が良さそうです。

愛車の健康のためにも、距離に関わらず早めにエンジンオイルを交換してみてはいかがでしょうか。ちなみにエンジンオイルに水が混ざると白濁するそうです。フィラーキャップやオイルゲージがネバネバしていたら要注意とのことでした。

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