新型ポロ、新エンジン「1.5TSI Evo」搭載による走りはどうなのか【新型ポロ TSI R-Line試乗記】

「ポロ TSI R-Line」が日本国内デビュー

フォルクスワーゲン ポロTSI R-Line

現時点の日本仕様でラインナップされているのは、3気筒1リッターターボ(95ps/175Nm)を搭載する日本向けのスタンダードモデル「TSI(トレンドライン/コンフォートライン/ハイライン)」と、2リッター直4ターボ(200ps/320Nm)の「GTI」という、いわば両極端のキャラを持つモデルたち。

そこでこの1月末、その間に開いたギャップを埋めるかたちで日本国内デビューを果たしたのが「ポロ TSI R-Line」である。新型ポロ TSI R-Lineで最も注目されているのは、日本向けのフォルクスワーゲン各モデルとしては初めて搭載された新エンジン「1.5TSI Evo」であろう。

この4気筒ターボガソリンエンジンは、従来のポロTSIに搭載される1リッター3気筒「EA211」型の4気筒版として新開発された、いわゆるモジュラー・エンジン。低負荷時には2気筒を停止するアクティブシリンダーマネージメント「ACT」および、より効率的なコモンレール直噴技術を採用し、最高出力は150ps/6000rpm、最大トルクでは250Nm/3500rpmを生み出すという。

つまりスペックの上では、1.4リッター直噴ツインチャージャーを搭載した先代ポロGTI前期型(180ps/250Nm)にもほど近いことになる。

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フォルクスワーゲン ポロTSI R-Line

また外観についても「R-Lineパッケージ」を、日本向けのポロとしては初採用。専用の17インチアルミホイールや、左右に振り分けたツインエキゾーストフィニッシャーで武装しているのに加え、エアロパーツのリップスポイラーやリヤスポイラー、ブラックサイドスカートなどで、GTIを彷彿とさせるスポーティな雰囲気を獲得している。

ところが、実際にテストドライブの機会を得た新型ポロTSI R-Lineは、実用性を重視したコンパクトカーに映った。

「TSI R-Line」の走り・乗り心地は?

フォルクスワーゲン ポロTSI R-Line

まずは、最も興味の対象となるであろう「1.5TSI Evo」ユニットの印象について。

たとえスペックの上では旧GTIに近くとも、パワーの炸裂する感触やエキゾーストサウンドなどの感覚面については、歴代GTI用ユニットのような刺激は乏しく、スポーツエンジンなどとは到底言えないだろう。しかし、あくまで実用エンジンとして見るならば「及第点」という以上の評価が得られるのは間違いあるまい。

フォルクスワーゲン ポロTSI R-Line

例えばベーシックモデルの1.0TSIでは、いささかのもどかしさからマニュアルシフトでわざわざ1速落としたくなったような勾配強めの上り坂でも、こちらTSI R-Lineならばアクセルをやや深めに踏み込むだけで、スイスイと気持ちよく登ってゆく。

もちろん、GTI以外の新型ポロでは初採用となるシフトパドルでマニュアル操作する、あるいはドライビングプロファイル機能に、こちらもGTI以外では初めて採用された「SPORTS」モードを選択することで、よりキビキビとした走りっぷりを披露する。

またシャシーについても、スポーツサスペンションやGTI譲りとなる電子制御式デフロック「XDS」、あるいはリアディスクブレーキなどが与えられるが、走り重視のGTIほどに固く締め上げられた印象は薄く、かなりしなやかな乗り心地。

エンジンの仕立てと同じくスポーティに過ぎないセッティングと相まって、爽快なドライブフィールと快適な乗り心地を高い次元で両立していると言える。

つまり、TSI R-Lineはあらゆる面で「1.0TSIとGTIの中間」であるとともに、最も高度にバランスの取れた新型ポロとも感じられたのだ。

TSI R-Lineは、最もポロらしいポロ

フォルクスワーゲン ポロTSI R-Line

全方位で進化を遂げ、従来のコンパクトカーの常識を上書きするような出来栄えを披露した新型ポロについて、これまで筆者は「セグメントBコンパクトの世界基準を一歩先へと進めるモデル」と評してきたが、パズルの最後のピースのごとくラインアップに加わったTSI R-Lineは、同時にVWポロの上質さを最も明確に体感できるモデル。最もポロらしいポロと言えるかもしれない。

従来の1.0TSIモデルの中でも、安全装備やインフォテイメント系装備でほぼ拮抗する「TSIハイライン」プラス30.1万円という価格差は、それだけを見れば決して小さくはあるまい。でもプロダクトとしての魅力については、やはりTSI R-Lineに軍配を上げざるを得ないのである。

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