ストラトス・レプリカが生まれた文化的背景を知る

ランチア・ストラトスのレプリカが日本上陸

ランチア・ストラトスのレプリカ

ランチア・ストラトスは1970年台に世界ラリー選手権(WRC)で3年連続マニュファクチャラーズ・チャンピオンを獲得した名車。ラリーで勝つために生まれ、そのホモロゲーションを獲得するために作られたため生産台数は492台と少ないため、愛好家の間では今なお高額で取引されている。

そのためレプリカが数多く存在。今回日本に上陸した「the STR」も、そんなレプリカの1台だ。製造するのは、英国で20年以上に渡り複数のメーカーで「ランチア・ストラトス」や「ロータス・セブン」「ACコブラ」「ローラT70」などのレプリカモデルに携わってきたクレイグ・ホワイト氏が2010年に創業したリスター ベル オートモーティブ社。

その後、2013年に「the STR」を発表し、英国の自動車雑誌「AUTOCAR」で絶賛されると、人気が急上昇。現在でも2年待ちというバックオーダーを抱えているという。

武田氏、「the STR」について語る

ランチア・ストラトスのレプリカ

今回の輸入に先立ち、武田公実氏は2018年にリスター ベル オートモーティブ社を訪問。その様子を今回トークショーで聞かせてくれた。

武田氏は「英国では、往年の名車のレプリカを楽しむ文化があります。これらの車は主にキットカーという形で販売されており、買い求めたユーザーは自宅ガレージで組み立て、レースや走行会などに参加する文化があります」と紹介すると、吉田由美氏は日本では馴染みのない文化に興味津々の様子。

もっとも、日本では運輸省の型式認定が無い国内で組み立てた車両を新規登録することはできないため、このようなキットカーの文化はない。自分のガレージで名車を組み立てるというキットカーの文化の話を聞き、欧州の自動車文化の奥深さを感じさせた。

キットカーのストラトスは、数多く存在するという。武田氏は「こうしたレプリカの中には、外観はストラトスでも走りが耐えないものがあるのは事実です。しかしthe STRは違います。走りが楽しめるよう作られています」と力説する。

ランチア・ストラトスのレプリカ

「特に足回りのこだわりは異常とも言えるもので、アルミブロックの削りだし部品もあったりします」とその一端を紹介。さらに「オリジナルがモノコック+サブフレームであるのに対して、the STRは鋼管フレームとしています。設計にCADが用いられており、サスペンションも前がダブルウィッシュボーン、リアがストラット式と、走りの面でも問題はありません」と解説が続く。

そして「もしストラトスが現在でも作り続けられていたら、こういった進化を遂げていただろうな、と思わせるものがある」とし、単なるレプリカの枠を超えた存在であることを示唆した。

武田氏は、既にthe STRを現地で試乗したそうだ。その印象について「カントリーロードを時速200km/hで走行しても大丈夫でしたし、一般道も楽しめました」とのこと。普段の脚として、the STRは楽しめる車であることを語り、このイベントは幕を閉じた。

ランチア・ストラトスの英国製レプリカ「the STR」、日本での輸入販売開始!

UK CLASSIC FACTORYが輸入販売

ランチア・ストラトスのレプリカ

輸入するのは、墨田区で英国生まれのヴィンテージ・ランドローバーのレストア販売を主に行うUK CLASSIC FACTORY。

マンションの地下一階にあるガレージには、程度のよい往年のレンジローバーのほか、同社が輸入する英国オートクラフト社が製造・販売するACコブラのレプリカ、AK427などが並ぶ。バーカウンターのような店内と、ガラスを隔てたコンクリートのガレージは、男なら一度は夢見る空間で居心地がとてもよい。

ランチア・ストラトスのレプリカ

代表の勝見氏に話を伺うと「レプリカーの文化って面白いですし、日本でもこういう車で楽しむ文化が根付くことのお手伝いができればと思っています。子供の頃憧れたスーパーカーに乗って走る、というのはもちろんですが、今の車にはない個性がたっぷり詰まっていますし、車を操る楽しさがあります。ぜひ一度触れてみて欲しいですね」と楽しそうな笑顔で意気込みを語ってくれた。

自動車大国と言われる日本。どうしても新車に目が行きがちだが、このようなレプリカーであったりクラシックカーなどにも目を向けて、文化の成熟していく時代が訪れることを願わずにはいられない。

この記事をシェアする

関連する記事

最新記事

     
アヘッド Car & Motorcycle Magagine ahead archives