チェーンがあれば大丈夫!? じつのところ4WDとチェーンの相性は?

新たなタイヤチェーン規制が導入

雪道

この新しい規制は、名前の通りに、どんなクルマであってもタイヤチェーンを取り付けていないと走れないというもの。つまり、スタッドレスタイヤを装着していても、この規制が実施される区間と時間は、タイヤチェーンなしでは走れません。

こうしたこともあり、この冬はタイヤチェーンが非常に注目されるようになりました。

注目されるタイヤチェーンだが、問題点もある

タイヤチェーン

ただし、ここで注意してほしいのが、「タイヤチェーンは万能ではない」ということ。しかも、じつのところ「タイヤチェーンと4WDのクルマは相性が悪い」という問題もあります。

もちろん、雪道でタイヤチェーンは絶大な効果を発揮します。しかし、スタッドレスタイヤよりも性能が上かといえば疑問です。サマータイヤに2輪だけチェーンを装着した場合と、4輪にスタッドレスタイヤを装着した場合で比べれば、スタッドレスタイヤの方が走行安定性は高いでしょう。

スタッドレスタイヤでさえ登れないような急坂は、チェーンを装着してもサマータイヤでは難しいはず。それだけ最近のスタッドレスタイヤの性能は、高いものに進化しているのです。
 
さらにタイヤチェーンには、大きな問題があります。それは装着が2輪だけという点です。乗用車のタイヤは4輪ですから、残りの2輪は非装着となります。つまり、タイヤチェーンを装着すると、クルマはグリップの高い2輪と、ほとんどグリップしない2輪の組み合わせになってしまいます。

こうした状況は4WD車にとっては悪夢のようなもの。コーナリングで簡単にスピンしてしまう可能性があります。センターデフがあっても前後のグリップの差があまりに大きすぎるのは辛いのです。4WD車を開発している人間からすれば、正直なところ「タイヤチェーンをなるべく使わずに、スタッドレスでお願いします」と思っているはず。

ちなみに、フルタイム4WDを売りにするスバルでは、タイヤチェーン装着を想定して、3つの予防策を採用しているとか。1つはサマータイヤにも、雪道走行性能をいくばくか与えているそうです。

また、4WDシステムにも、チェーン装着での走行を想定。最後に、4WD向けのタイヤチェーンを純正品として用意。この3つの対策で、タイヤチェーンと4WDの相性の悪さに対応しようというのです。

新しいチェーン規制の主眼はオールシーズンタイヤの多いトラックやバス

優れたスタッドレスタイヤの存在や、相性の悪い4WD車が乗用車にたくさん存在しているのに導入された新しいチェーン規制。ある意味、新しいチェーン規制は、乗用車よりもトラックやバスといった大型車両が本当のターゲットだったのではないでしょうか。

トラックやバスは、スタッドレスタイヤよりも雪道性能の劣る、オールシーズンタイヤを装着しているケースが多く、そうした車両が大雪のときにチェーンを装着するのは、大きな効果が期待できます。もちろん、状況が厳しいときはスタッドレスタイヤを履くクルマも、プラスしてチェーンを装着すれば、さらに立ち往生しにくくなるはず。

長時間におよぶ立ち往生車両の発生や、通行止め時間の短縮が、新規制の大きな狙いです。「チェーンがあるから大丈夫」ではなく、雪道を走る機会の多い人は、サマータイヤ&タイヤチェーンではなく、スタッドレスタイヤかオールシーズンタイヤを使うようにしましょう。その上でチェーンを用意すれば、まさに万全です。

関連キーワード

この記事をシェアする

関連する記事

最新記事

     
アヘッド Car & Motorcycle Magagine ahead archives