高速道路がラクで楽しい!VTECターボエンジン搭載のヴェゼルに試乗してみた

使い勝手がよいヴェゼル

ホンダ ヴェゼル(栗原祥光撮影)

▶︎VEZEL TOURING・Honda SENSING(2,903,040円)

大人4〜5人が快適に乗車でき、かつ荷物も載せられる。それでいながら走りもよい。スポーツと使い勝手(ユーティリティ)が受けているSUVは、我が国では年間50万台近い新車登録され、全新車登録台数の約10%を占める人気のジャンルだ。

SUVが出始めた頃は、いわゆるクロスカントリー系の大型モデルが多かった。しかしそれでは取り回しが悪い。そこで近年登場したのが、Cセグメントのハッチバックをベースに車高が上がったような、コンパクトSUVというジャンル。さらにクーペタイプのスタイリングを採ったモデルも誕生。「都市型SUV」と呼ばれる言葉も生まれ、今では街で見ない日はない。

ヴェゼルが登場したのは2013年のこと。クーペのようなスタイリングとミニバンのような使い勝手の融合をテーマとして、ノンターボのガソリン仕様と経済性に優れるハイブリッド仕様をラインアップ。2014年度(2014年4月-2015年3月)における日本国内での販売台数が100,479台を達成し、SUV新車登録販売台数第1位を獲得した。

2016年に程よいスポーティーグレード「Road Sailing(ロード・セーリング)」と略したRS仕様と、安全装備Honda SENSINGを新採用したモデルが追加。2018年2月にフロントマスクを変更するなどのビッグマイナーチェンジがなされた。そして2019年1月末に、今回紹介するVTECターボモデルが追加されたというわけだ。

新しく追加された「VEZEL TOURING・Honda SENSING」

絶妙なボディサイズ

ホンダ ヴェゼル(栗原祥光撮影)

▶︎VEZEL TOURINGの側面

ヴェゼルの美点は、全長約4.3メートル、全幅約1.7メートルの絶妙なボディサイズにある。これが狭い路地があったりする日本の道にジャストフィット。最小回転半径も約5.5mと取り回しのよさも魅力だ。

そして後端をスラントさせたような視覚的デザインと、リアドアのノブがピラーと一体化したようなクーペスタイルを採るが、実際にはスラントしておらず、SUVで求められる荷室の容量も約400リットルと十二分に確保。

もちろんリアシートを倒せばフルフラットになりさらに容量が上がる。ポイントは開口部が大きく低いこと。これが使いやすいのだ。

ホンダ ヴェゼル(栗原祥光撮影)

▶︎リアゲートを空けたところ。荷室の容積は充分だ

エンジンは1.5リットル直列4気筒のVTECターボエンジン

ホンダ ヴェゼル(栗原祥光撮影)

▶︎フロントにマウントされた1.5リットル直列4気筒VTECターボエンジン

ホンダ ヴェゼル(栗原祥光撮影)

▶︎1直噴1.5L VTEC TURBOエンジン。小排気量エンジンの燃費の良さはそのままに、ターボチャージャーに直噴システムと可変動弁機構を組み合わせることで、2.4Lエンジンを凌ぐ低速トルクと高回転までリニアに伸びるパワーフィールを実現した

さて、気になるのはフロントにマウントされた1.5リットル直列4気筒のVTECターボエンジンだ。従来のNAガソリン仕様に比べ約40馬力アップの171馬力を発生するこのユニットは、シビックをはじめ、数多くの車種でも搭載されているもの。

他社2リットルNAエンジンと同等のパワーを有しながらも、自動車税が1リットル超~1.5リットル以下の34,500円なのも嬉しい。さらにターボ車でありながらレギュラーガソリンに対応しているのも嬉しいポイント。こういった経済性は自動車を所有していく上で、地味に効いてくるところ。

スポーティさが増したボディデザイン

ホンダ ヴェゼル(栗原祥光撮影)

▶︎リアビュー。左右出しのマフラーエンドがスポーティさを演出する

この「VEZEL TOURING・Honda SENSING」、単なるエンジン載せ替えモデルと思いきや、実はボディも専用品というこだわりよう。しかも従来のガソリン仕様車には無かったインタークーラーの配置などによる一部変更ではなく、ボディの各所を補強しているというから驚きだ。

さらにシャーシ変更により排気管も両サイドに配置することができたそうで、これによりスポーティさが増した。リアゲートに取り付けられたエンブレムと両サイドのエキゾーストエンド以外で既存モデルとTOURINGを区別することは難しい。

機能面としては、横滑り予防機能であるアジャイルハンドリングシステムを追加。コーナーリング中において適切に各車輪にブレーキをかけるもので、例えば雪解けの滑りやすい路面でのコーナーリングなどに威力を発揮する。通常の運転で制御の介入を感じることはまずないだろう。

ボディ色はTOURINGとRSにプレミアムクリスタル・ブルーメタリックを追加。また今回、全タイプにスーパープラチナグレー・メタリックが加わった。今回試乗したモデルは、このスーパープラチナ・グレーメタリックで、とても男性的な力強い印象を与えるモデルだ。

上質さを感じさせると共に使い勝手のよい室内

試乗車の車内は本皮のオプション仕様。室内に入ると「よいモノ」「素敵なクルマ」「居心地がよさそう」といったポジティブな印象を受ける。

ホンダ ヴェゼル(栗原祥光撮影)

▶︎黒で統一されたシックな室内

ホンダ ヴェゼル(栗原祥光撮影)

▶︎後部座席。大柄の大人が座っても足元もヘッドスペースも余裕がある

ホンダ ヴェゼル(栗原祥光撮影)

▶︎ナビゲーションやエアコンなどのセンターコンソールはわずかにドライバー側に寄っている

ホンダ ヴェゼル(栗原祥光撮影)

▶︎ドライバーズシート。座面にキルティング模様がなされ高級感がある

ホンダ ヴェゼル(栗原祥光撮影)

▶︎金属製ペダルを標準装備。スポーティーな雰囲気だ

ホンダ ヴェゼル(栗原祥光撮影)

▶︎センターコンソール下側にUSBポートを設ける。運転席側は車両とつながっており、音楽再生等が可能だ

センターコンソールの収納は必要にして充分。センターコンソールは二段になっており、下面に2ポートのUSB端子とHDMI、そしてシガーライターソケットを備える。シガーライターソケットは後席にも用意されており、変換アダプターを使えば全席でスマートフォンの充電が可能。

若い人が車に乗車した時には必ずと言ってもいいほど「スマホ充電」を希望するので、全席充電可能かどうかはとても重要だ。まして長距離ドライブするなら尚更だ。

「運転が楽しい」と心の底から思える走りの良さ

ホンダ ヴェゼル(栗原祥光撮影)

▶︎走行中の様子

イグニッションボタンを押すと、静かながらも低く力強い排気音が耳に飛び込んでくる。今までのヴェゼルとはちょっと違うぞ、と思いながら、少しアクセル踏むと、しっかりとした剛性感があり、その手応えに思わず頬がほころぶ。

低速からトルクフルなエンジンにCVTを組み合わせは、力強い走りと低燃費を高い次元で両立しているようで、出足のよさに不満を感じることはない。シフトパドルも備えられているので、それを積極的に操っての運転も楽しい。

気になる乗り心地は少し硬めの味付け。スピードバンプをトンと乗りこなし、揺り戻しがとても少ない。そして遮音性能が高いため、ロードノイズもあまり聴こえない。だから車内にいる人はみんなハッピーだ。

前方視界が十二分に広く死角が少ないためか、すぐに車両感覚が身についた。運転に不慣れな人でも、VEZELは比較的容易に運転できるだろう。これは意外と大切なことだ。

全体的に絶対の速さで楽しむのではなく、普通に操って楽しいと思わせる味付けに好印象。生理的な心地よさと運転の手応えが、運転手だけでなく、車内の人々をハッピーにさせてくれる。やっぱりホンダの車は「日曜日よりの使者」で「VEZEL TOURING・Honda SENSING」はまさにそれを体現した1台といえそうだ。

高速道路がラクで楽しい!TOURINGの名前に偽りナシ

ホンダ ヴェゼル(栗原祥光撮影)

▶︎高速巡航中のメーターパネル。右側にHonda Sensingの車線と車間表示がされている。(写真はHYBRID RS仕様)

特に関心したのは高速道路の走行だ。合流でアクセルをググっと踏み込むと、もたつくことなく、そしてエンジンが唸りをあげることなく、力強く加速していく。さらに巡航走行していても、車体はどっしり安定していて、直進安定性がすこぶる高い。

追い越し車線における加速も力強いもので、ターボとVTECの恩恵を存分に受ける。一言で言えば欧州車に近いフィーリングだ。適度なエンジン音に少ない風切り音、そして安定感のある乗り心地は、どこまで遠くに行きたくなる気分にさせてくれる。

さらに高速道路の巡航をHonda SENSINGが運転手をサポート。車線の中央付近を維持するようにステアリング操作を支援したり、前走車との適切な車間距離を維持しながら追従走行する自動運転レベル2相当の運転支援なのだが、その効き方が実にマイルドで、ドライバーにそっと寄り添う雰囲気だ。長距離運転が快適でラク。

ホンダがVTEC TURBOを搭載したこのVEZELを「SPORT」ではなく「TOURING」と名付けた理由は、高層道路に乗って理解した。

次ページ「走りのステージ」でHYBIRD RSグレードとTOURINGが選べる

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