ベントレー100周年!最高速度333km/hの新型コンチネンタルGTコンバーチブルを発表

ベントレー コンチネンタルGTコンバーチブル 2019

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2017年秋のフランクフルト・ショーにて世界初公開されたベントレー三代目コンチネンタルGT。

初代および二台目の通例から、コンバーチブル版の追加設定は時間の問題とも目されていた。

その予測を裏付けるかのごとく昨2018年晩秋に、まずはオフィシャルフォトと概要のみが発表されたことは、記憶に新しいところだろう。

文・武田 公実

武田 公実|たけだ ひろみ

かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッドで営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、クラシックカー専門店などで勤務ののち、自動車ライターおよびイタリア語翻訳者として活動。また「東京コンクール・デレガンス」、「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントにも参画したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム」ではキュレーションを担当している。

武田 公実
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ベントレー100周年の第一弾!新型コンチネンタルGTコンバーチブルを発表
日本の伝統をテーマに創り出したベンテイガ特別仕様も初公開!
特別展示のクラシック・ベントレーたち

ベントレー100周年の第一弾!新型コンチネンタルGTコンバーチブルを発表

そして、今年3月のジュネーヴ・ショーにて正式なワールドプレミアに供されることもアナウンスされていたのだが、それよりもずっと早い1月31日に、日本国内向けのプレミア発表会が開催されることになった。

新型コンチネンタルGTコンバーチブルは、日本市場でも既に多くのバックオーダーを抱えているという三代目コンチネンタルGTからルーフを取り去り、先代よりも6秒マイナスとなる19秒で開閉可能な電動開閉式ソフトトップを組み合わせたモデル。

トップを上げていても降ろしていても極めてスタイリッシュで、「コンバーチブル」を標榜しつつも、プロポーションは英国式「ロードスター」のそれに近い。その傍らで、ソフトトップには遮熱・遮音性能の高い内張が貼られ、ベントレーに相応しい耐候性や快適性を獲得。こちらも英国式に言うなら「ドロップヘッド・クーペ」のレベルにある。
パワーユニットもコンチネンタルGTと同じ、最高出力635ps、最大トルク900Nmを発生する6リッターW12ツインターボエンジンを搭載。8段デュアルクラッチ式ATを組み合わせている。

もちろん、オープン化によってスーパーカー級のパフォーマンスが損なわれるようなことはなく、333km/hの最高速度はまったくの同数値。0-100km/h加速タイムはクーペの3.7秒に対し3.8秒と、こちらも事実上変わらない高性能車となる。

新型コンチネンタルGTコンバーチブルの日本でのメーカー希望小売価格(消費税8%込み)は2818万円と発表。正式なデリバリーは2019年秋からスタートする旨もアナウンスされた。

日本の伝統をテーマに創り出したベンテイガ特別仕様も初公開!

そしてこの日には、新型コンチネンタルGTコンバーチブルの国内デビューに花を添えるかたちで、ベントレーのパーソナルコーチワーク部門の「マリナー」が日本の伝統をテーマに創り出した特別仕様車「ベンテイガ A Limited Edition by Mulliner Exclusively for Japan」も同時初公開された。
 
英国ベントレー本社マリナー部門のトップ、トレーシー・クランプ氏のプレゼンテーションでお披露目され、日本限定10台のみが製作されるという、この特別なベンテイガ。ボディは「ポーセリン」と名づけられたメタリックの専用カラーにペイントされる。
インテリアでは、助手席側ダッシュボードに日本の伝統工芸である「寄木細工」にインスパイアされたというウッド加飾「ブラック・ダイド・マドローナ」があしらわれるほか、マリナーのハンドメイドによる仕立てや特別装備が数多く施される。

その上、通常のオプション装備もスタンダード化されたにもかかわらず、価格はスタンダードの300万円アップに相当する3086万円。つまりは、なかなかのお買い得バージョンとも言えるだろう。
また、今年で記念すべき100周年を迎えるベントレーでは、ボディ各所のエンブレムやキーフォブなどに「Centenary Gold(センテナリーゴールド)」のエンブレムが。

インテリアでも100周年の特製ウエルカムライトを装備したほか、ステアリングホイールやギアセレクター、キーフォブなどにも同様のエンブレムを採用したパッケージオプションを、今年製作されるコンチネンタルGT系/ベンテイガ/ミュルザンヌすべてに設定(いずれも8%消費税込みで245,600円)。この日は、そのオプションを装着したコンチネンタルGTクーペも展示された。

加えて、新型コンチネンタルGTコンバーチブルが初めて公衆の面前に姿を見せることになる今春のジュネーヴ・ショーでは、ベントレー100周年記念のスペシャルエディションモデルを発表する予定とのこと。
今回のコンチネンタルGTコンバーチブルのジャパンプレミアは、単なる人気モデルの発表会に留まらず、今年一年に全世界で展開される「ベントレー100周年」を占う意味でも、とても重要なイベントとなったのである。

特別展示のクラシック・ベントレーたち

近年、ベントレー・モータース・ジャパンが開催する各種イベントでは、筆者がキュレーションを担当する「ワク井ミュージアム(埼玉県加須市)」所蔵のクラシック・ベントレーを出展する機会が多いのだが、今回も主役である新型コンチネンタルGTコンバーチブルの源流と言うべき、二台のオープン・ベントレーを展示させていただいた。
まずは1921年型の「3Litre」ゲイルン製ツアラー。1919年に第一号車が試作され、21年からデリバリーが始まったベントレーの第一作「3リッター」の生産19号車である。

この時代の3リッターの多くが、後世になってヴァンデン・プラ製「ル・マン」スタイルなどのボディを新たに与えられた事例が多い中、新車として生産された際にコーチビルドされたオリジナルボディが維持されているものとしては、おそらく世界最古の一台と目されている。

個性的なスキッフ(小舟)スタイルのボディは、第二次大戦前にスコットランド・エディンバラに本拠を構えていたコーチビルダー「ゲイルン」が製作したもの。1921年12月、同じエディンバラの顧客にデリバリーされたという。

その後長らくスコットランドで過ごしたのち、イングランドからスウェーデンを経て、ワク井ミュージアムに所蔵されることになった。

また、この個体が新車としてデリバリーされた当時の品質保証書が古い文献にも掲載されるなど、ベントレー100年史の語り部としても貴重な一台と言えるだろう。

Bentley 3Litre by Grain

そしてもう一台が、1937年型「4¹/₄Litre」スペシャル・コンバーチブルである。1931年からロールス・ロイス傘下に収まったベントレーが、R-R社ダービー工場にて生産したモデルは「ダービー・ベントレー」と呼ばれている。

開祖W.O.時代(1919-1930年)に作られたリアルスポーツカーに比べると高級グランドトゥアラー志向が格段に強くなったが、W.O.時代にはなかった瀟洒なボディも架装されて新たな魅力を獲得。「サイレント・スポーツカー」の愛称とともに、ベントレーの栄光を紡ぐことになる。
今回の展示車両は、直列6気筒OHVエンジンを初期の3.5リッターから4.25リッターに拡大した第二世代のダービー・ベントレー。

新型コンチネンタルGTコンバーチブルと同様、耐候性に優れたソフトトップや巻き上げ式のサイドウインドーなど「コンバーチブル」の特徴を備えながらも「ロードスター」的にスタイリッシュなボディは、1980年代にベントレーのオーソリティによって新たにコーチビルドされたものだが、流線形の洗礼を受けた1930年代末のスタイルを正しく体現していると言えるだろう。

Derby Bentley 4¹/₄Litre Special Convertible

ワク井ミュージアムでは、このあともベントレー100周年を記念したイベントなどを数多く展開してゆく予定となっているので、是非ともご注目いただたいところである。
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