東京-名古屋移動なら追加充電なし!航続距離大幅アップした日産 リーフ e+(イープラス)が誕生!

日産 リーフ e+

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日産自動車は1月9日に2019年型のリーフを発表、待望の62kWhバッテリーを搭載した新グレード「e+(イープラス)」が登場しました。これまでのリーフが搭載していたバッテリーは最大40kWh、航続可能距離は322km(WLTCモード)でしたので、今回の62kWhの「e+」の458kmは、135kmも伸びたことになります。

文/写真・吉川賢一
Chapter
2019年型リーフのスペックは?
62kWhになるとどんなメリットがあるのか?
62kWh化によるデメリットは?
充電インフラの動向はどうか?

2019年型リーフのスペックは?

リーフ e+(イープラス)は、バッテリーのエネルギー密度を約25%向上させ、容量を40kWhから62kWhへとアップ。一度の充電で走行できる距離は、WLTCモードで322kmから458kmまで伸びました。同時に、モーター最高出力も110kW(150ps)から160kW(218ps)と68psもアップしたので、力強い加速も期待ができます。

ただし容量増のためにバッテリー密度を上げたため、車両重量が約160kgも増えています。その他、エクステリアデザインやインテリアの変更はありません。

グレード構成は、これまでの「S」「X」「G」に、「e+ X」「e +G」が追加され、「X」グレードの価格は40kWhバッテリーモデルが366万1200円、65kWhバッテリーのe+ Xは416万2320円と、約50万円の価格差となります。

62kWhになるとどんなメリットがあるのか?

バッテリー容量最大のメリットは「航続距離の向上」です。40kWhリーフの航続距離は、WLTCモードで322kmですが、筆者の経験ではひと晩のフル充電で、メーターに表示される航続可能距離は281km(Dレンジ)と、実際には0.9掛け程度でした。

それを踏まえて考えると、新しいリーフ e+は、WLTCモードが458kmなので、実際には410km程度を走行できる計算になります。

これなら、東京-名古屋(新東名経由で約360km)、片道200km弱の東京-静岡の移動を、途中で充電することなく可能です。もちろん走らせ方によって電費が変わるため、つねに無充電で400kmを走行できるという保証はありません。それでも、これまでと比べ安心して移動ができるツールになったことは確かです。

62kWh化によるデメリットは?

ただし良いことだけではありません。現在、日本国内で普及している「チャデモ」という急速充電規格は、最大出力に上限値(50kW)が設けられていますし、多くが1台による占有を防ぐため、30分で充電が自動停止する設定になっています。

40kWhリーフで急速充電器を使った場合、40分で約80%の充電が可能ですが、30分で強制的に充電が止まってしまう急速充電器では、1回の充電で100km強しか走れません。

バッテリー容量が大きいほど、充電速度は上がる傾向にあり、リーフ e+では最大で100kWの急速充電に対応したので、その分多めに充電することができ、有利にはなるはずなのですが、容量、充電時間ともに上限がある充電機器では、1回の充電で100km強の走行距離を稼げるだけなのです。

30分の充電で満足いかず、充電を”お代わり”するユーザーもいます。その結果、充電待ちをしていたユーザーとトラブルになったという話も稀に聞きます。クルマのバッテリー容量の進歩と合わせて、高速充電インフラの進歩も期待したいところですね。

充電インフラの動向はどうか?

充電時間に関する考えを日産の開発エンジニアに聞いたところ、日本国内のインフラが100kWに対応する時期は不明とのこと。追加充電をしてさらに数100kmを走れるような使い方は、当分先のようです。

余談ですが、テスラ用の高速充電器(テスラスーパーチャージャー)は最高120kW。米国、オーストラリア、欧州など、海外の規格(Combo)は最高200kWと、チャデモの2〜4倍の充電速度を可能にしています。

そういった充電装置を導入することで、62kWhリーフの性能が最大に発揮できるようになるでしょう。

ただし、急速充電を繰り返し使用すると、バッテリーの過熱劣化が起こり、それを防ぐフェールセーフ機能により、充電速度を低下させる制御が入ります。それを防ぐには、バッテリーの発熱をコントロールする「バッテリー温度制御装置」を、車両に装着する必要がでてきますが、そのコストは、販売価格に跳ね返ってしまいます。

充電器の性能などインフラ側に課題は残されているものの、航続距離の延伸で魅力を増したリーフ e+。ゼロエミッション社会に向けた牽引車として、今後も注目です。


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