”おひとりさま専用スポーツカー”S660に2年半乗って思ったこと

開放的かつ五感で楽しむドライブ体験

家に引きこもり寝て過ごすだけだった筆者の休日は、S660を迎えてから実に有意義なものとなった。まるで「日曜日よりの使者」が私に一緒にどこかへ行こうよ、と誘いかけてくるかのように、休みの日はクルマででかけたくなってしまうのだ。山中湖や箱根、湘南や鎌倉、鴨川や養老渓谷。都内から1~2時間クルマを走らせるだけで、こんなにも素敵な場所があることを知った。

ルーフを開けると、五感で土地の空気や四季を感じとれ、日本の素晴らしさを知る。もちろん都内でのオープンドライブも素敵だ。表参道をはじめとする冬のイルミネーションは、満点のきら星のよう。桜並木の下を通ると、クルマがほのかに甘い桜の香りがと景色に溶け込んでいく。開放的かつ五感で楽しむドライブ体験は屋根のついたクルマでは味わえないオープンカーならではの特権だ。

ホンダ S660(栗原祥光撮影)

▶︎フロントを空けると幌を収納する専用ラゲッジスペースが見える。

ホンダ S660(栗原祥光撮影)

▶︎幌は助手席に置くことが多い。

ホンダ S660(栗原祥光撮影)

▶︎ウイングは止めるネジ穴を変えることで4段階に調整可能

ホンダ S660(栗原祥光撮影)

▶︎幌を取り付ける際、フロント側のフックをゴムに当てないように注意。ひっかけるとゴムが破けてしまう。

オープンカーというと雨漏りを気にする方がいらっしゃるが、洗車を含めて雨水が車内に侵入したことははない。ただ時速100km/hを超えると風切り音やハイグリップタイヤゆえのロードノイズからくる騒音で車内は隣の人との会話が難しくなってくる。スポーツカーだからといってスピードはそれほど出さずに、走りを楽しむことをオススメしたい。S660は低速でも走りが楽しめるクルマだ。

ルーフは電動ではなく海苔巻きのようにしてたたむのだが、慣れれば車内から1分かからずに脱着可能。信号待ちの間に取り付けることだってできる。取り外したルーフは、もちろん助手席へ。ただ、前側にフックがあり、それをゴムにひっかけると切れてしまうので、取り付ける時だけは注意した方がいい。

コーナーリング性能の素晴らしさ

ホンダ S660(栗原祥光撮影)

▶︎SUV車との比較。SUV車両がハイビームをするとサイドミラーやルームミラーに光が直撃する。

ホンダ S660(栗原祥光撮影)

▶︎SUVが発するハイビームがルームミラーに直撃した状態。

コーナーリング性能の素晴らしさも特筆すべきもの。フロントにエンジンがないことによる回頭性の良さは、信号ひとつ曲がるだけでも笑顔になる。峠道などは、まさに水を得た魚。自分を中心にクルマ動く感覚は痛快そのものだ。

軽自動車ゆえ64馬力という出力はいかんともし難いものはあるものの、必要にして十分。常にドライバーの手中にクルマがコントロールできる感覚があり、じゃじゃ馬で手を焼く、ということはない。

S660を購入した方にオススメしたいのは、よりクルマと一体感を得るためのフルバケットシートの導入だ。これにより、自分を中心としてクルマが旋回するという感覚がより一層強くなるし、背の高い人にとっては、座面を下げることで天井に頭を当ててタンコブをつくらなくて済むという副次的効果がある。

身体が痛くなるのでは?と思われがちだが、お尻が痛くなったり腰痛になったことはない。また防眩ミラーの導入も検討されるとよいだろう。車高が低いため、後続車がSUVや軽ワゴンだった場合、そのヘッドライトビームの直撃を受けてミラーはかなり眩しくなる。

ホンダ S660(栗原祥光撮影)

▶︎痛々しい事故の様子。

2年半の消耗品としては、定期的にエンジンオイルやオイルエレメント、ワイパーゴム、そしてCVTフルードを交換した程度だ。エンジンオイルは粘度は0W20か5W30が推奨、量は5リットル缶を買えば2回分交換できるため、筆者は3000kmごと、約3ヶ月に1度のペースで変えている。このエンジンオイルでフィーリングがかなり変わるようだ。

クルマとして何かトラブルがあったかといえば、信号待ちをしている際に後ろからSUV車が追突してきたこと位だろう。もちろん修理代は相手の保険料だが、写真の程度で60万円位と小さい割には結構修理代がかかるため、任意保険に加入する際は車両保険も合わせて加入することをオススメしたい。

筆者がディーラーで加入した三井住友海上の場合、初年度は年間13万円程度、以降次年度10万円弱、3年目8万円強である。愛車を万が一のことから守るには、是非検討していただきたい。

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