5ナンバーから3ナンバーになったクルマ5選

マツダ アンフィニ RX-7(FD3S)

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グローバルモデルでは日本でいうところの5ナンバー(総排気量2.0L以下、全長4,700mm以下、全幅1,700mm以下、全高2,000mm以下の小型車サイズ)であることは求められるはずもなく、いまや5ナンバーであることにこだわっている国産車も減っている。自動車税が排気量だけに由来するようになって久しく、ボディサイズ由来で3ナンバーになっているからといって、マイナスに感じるシーンなどほとんどないことから、ユーザーサイドでも5ナンバー信仰は徐々に弱まっている印象もある。とはいえ、それまで5ナンバーだったモデルが3ナンバーに大型化すると話題になるのも事実で、まだまだ気になっているユーザーは少なくない。そこで、5ナンバーから3ナンバーになった5つのモデルをピックアップ。時代背景なども含めて振り返ってみよう。

文・山本晋也
Chapter
2度目の復活で3ナンバーとなったホンダ インサイト
スイフトスポーツはついに5ナンバー枠を飛び出した
8代目までは5ナンバーが基本だった日産 スカイライン
じつはFD3SはRX-7としては唯一の3ナンバー
シビックタイプRは2代目まで5ナンバーだった

2度目の復活で3ナンバーとなったホンダ インサイト

1999年に登場した初代はアルミボディに1.0Lハイブリッドを積んだ実験的なコンパクト2シーターで、2006年に生産を終了。しかし、2009年に日本でエコカー補助金が始まったタイミングで、もっとも安いハイブリッドカーとして、その名前は復活した。

その2代目のボディも引き続き5ナンバーサイズで、プリウスイーターとして瞬間風速では月販1位の座についたこともあったが、返り討ちにあったカタチで徐々に販売台数が減っていき2014年には生産終了となってしまう。

そして、2018年12月にふたたび復活したインサイトは、同社においてシビックとアコードの中間的なポジションとなるミドル級セダンに変身していた。その全幅は一気に広がり、1,820mmに達した。立派に3ナンバーのボディとなったのだ。

エンジンは1.5Lで、駆動のほとんどは電気モーターが担うというフルハイブリッドとなったことは、インサイトの名前にふさわしい進化といえる。

スイフトスポーツはついに5ナンバー枠を飛び出した

型式でいうと、HT81、ZC31、ZC32、ZC33と4代にわたって日本で販売されてきた、スズキのホットハッチが「スイフトスポーツ」。他社からスポーツハッチバックが消滅していく中、コストパフォーマンスに優れた走りのモデルとして支持を集めている。

歴代モデルのエンジン排気量を並べると、初代から順に1.5L、1.6L、1.6L、1.4L(ターボ)となり、これを見ている限りはいずれも5ナンバー枠に収まりそうなものだが、じつは現行モデルのZC33型スイフトスポーツは全幅が1735mmであり、ボディサイズによりシリーズ初の3ナンバーとなった。

スタンダードのスイフトは5ナンバー枠に収まっているため、スイフトスポーツ専用にワイドボディを起こしたと思いがちだが、じつは5ナンバー枠にこだわる必要のない欧州仕様のボディを国内に投入したことによる3ナンバー化だったりする。

日本ではスイフトスポーツのボディは少数派だが、グローバルにはこちらのほうがスタンダードというわけだ。

8代目までは5ナンバーが基本だった日産 スカイライン

V6エンジンと直4ターボを積む現行モデルは、海外において日産の高級ブランド「インフィニティ」で売られているQ50のリネーム版といえるスカイラインだが、もともとは国内専用のスポーツセダンとして長い歴史を持つ伝統のネーミングだ。

そのスカイラインが最後に5ナンバーだったのは1989年に誕生した8代目のR32型。このモデルは第二世代GT-Rのイメージが強いが、標準グレードは2.0Lの6気筒エンジンを積んでおり、ボディも小型車サイズだった。だからこそ、ワイドフェンダーのGT-Rにインパクトがあったのだ。

とはいえ、BNR32という型式で認知されている第二世代最初のスカイラインGT-Rの全幅は1,755mmであり、現行のプリウス(1,760mm)のほうがワイドだったりするから時代の変化というのは恐ろしい。

R32型でもマイナーチェンジで2.5Lエンジンが追加され、非GT-Rに3ナンバーが登場しているが、本格的に5ナンバー枠を飛び出したのは9代目(R33型)にフルモデルチェンジしたときだ。

じつはFD3SはRX-7としては唯一の3ナンバー

マツダのシンボルといえる「ロータリーエンジン」を搭載したスポーツカーがRX-7。初代モデル(SA22C型)が登場したのは、日本がスーパーカー・ブームに沸いた1978年。

その後、1985年には2代目モデル(FC3S型)へフルモデルチェンジを果たした。いずれも全幅は1,600mm台で、5ナンバー枠に収まっていた。そして1991年に登場した3代目RX-7(FD3S型)のグラマラスなボディは当然のように5ナンバーを超える1,760mmの全幅となっていた。

とはいえ、初代から続くロータリーエンジンとリトラクタブルヘッドライトというスポーツカーのアイコン的メカニズムは不変であり、3ナンバーになったからといって批判的な声はあまり起きなかった。

そうした批判を抑え込むだけの魅力が、そのスタイリングにあったからといえるだろう。

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シビックタイプRは2代目まで5ナンバーだった

このところのイメージでは、FF世界最速を狙い2.0Lターボを積むスポーツハッチと捉えがちなシビックタイプRも、初代モデル(EK9型)は1.6LのVTECエンジンを搭載した国内最速のテンロク・ホットハッチだった。

さらに2.0Lエンジンにスープアップされた2代目シビックタイプR(EP3型)も5ナンバーに収まるボディサイズ。このEP3型は、現在のシビックタイプRにようにイギリスで作られるグローバルモデルだったが、この時代はまだ5ナンバーサイズだったのだ。

その後、日本で売られるシビックはスタンダードモデルであっても3ナンバーサイズとなり、当然のように3代目シビックタイプR(FD2型)も5ナンバーを卒業した。なお、初代シビックタイプRの全幅は1,695mm、現行モデル(FK8型)は1,875mmなので、約20年で18cmもボディ幅が広がったことになる。

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