たまに見かける、トランクから伸びたアンテナ。これって何を受信しているの?

アンテナの昔と今

ダミートランクリッドアンテナ

トランク部に装着されている長さ50cmほどの太くて黒い棒状のパーツは、「TLアンテナ(トランクリッドアンテナ)」といいます。これは、自動車電話用のアンテナです。

携帯電話がいまほど普及していなかった時代、外出時の通信手段といえば有線の公衆電話が一般的で、無線の自動車電話は大変に高価なものでした。そのため、自動車電話は会社の重役などVIPを乗せるクルマに多く、自動車電話用のアンテナは”お金持ちの証し”的な存在でした。

誰もが携帯電話を所有する時代となり、自動車電話を搭載しているクルマはほとんどなくなりましたが、アンテナ=VIPカーの象徴というような意味合いは名残があり、アクセサリーのひとつとしてダミーのアンテナを取り付けて楽しむファンもいるようです。

他には、静電気を放電させ、乗り降りの際の「パチッ」という嫌な静電気を防いでくれる機能や、携帯電話の電波を良くする機能もTLアンテナには含まれているようです。

またアマチュア無線機のアンテナは細長いタイプのモービルホイップアンテナなのですが、とあるメーカーがTLアンテナの形状をした無線機用アンテナを販売したところ売れ行きが好調だったため、いまでは各メーカーが同形状のアンテナを販売するようになりました。

>>ダミートランクリッドアンテナ TA-182

覆面パトカーのアンテナ

覆面パトカーは、一般車両に紛れて走行しなければなりません。しかし警察無線は必要。そのため覆面だと見抜かれない擬装アンテナが使用されています。

以前は、ラジオのアンテナに似せたF-1型アンテナや、パーソナル無線用のアンテナに似せたタイプが使用されていましたが、1990年代には自動車電話用アンテナに似せたTLアンテナが主流となりました。

しかし、ラジオアンテナが2本あるように見えることや、パーソナル無線や自動車電話を搭載している車両が減ってしまったことから、どちらも覆面パトカーだと見抜かれてしまう原因となってしまったため、2000年代初めごろに車載アナログテレビのダイバーシティアンテナに似せたTAアンテナに変更されました。

さらに時代は流れ、地上デジタル放送開始によって、一般車両のテレビ視聴用アンテナはフィルムタイプが主流となり、TA型ですら見抜かれてしまうようになりました。そこで現在は、フィルムアンテナを警察無線用の周波数に調整したものや、現在のラジオアンテナである外側がプラスチックで短い棒状のユーロアンテナへと変わりつつあります。

一部例外として、アマチュア無線用のモービルホイップアンテナに似せたものを使用している県警もあるようです。

導入当初は擬装しているつもりでも、時代の流れによって逆に覆面のトレードマークとなってしまうため、あの手この手で対策が必要なので警察も大変なようです。

アンテナが取り付けてられているセダンタイプのクルマを見かけるたびに「覆面パトカーかも?」と警戒していた方もいるでしょう。

ひと口にアンテナと言っても無線や静電気除去などの実用的なものから、見た目だけのダミーアンテナまで、目的や形状もさまざま。周囲を走るクルマのアンテナを見て、いろいろ想像してみるのも楽しいかもしれません。

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