車のマフラーから出る煙の正体は?

マフラーから出る煙の正体は?

チタンマフラー

冬の寒い日の朝、エンジンを始動した直後のマフラーから、白い湯気のようなものが出ることがあります。これはほとんどの場合、水蒸気(湯気)であり、エンジンに異常があるわけではありません。

エンジン内部で燃料が燃えると、二酸化炭素と水が発生します。気体である二酸化炭素はそのままマフラーを通って大気に放出され、燃焼により高温となった水(水蒸気)も同様にマフラーを通って排出されます。通常は冷却されて水(液体)となりますが、冷却しきれなかった水蒸気が低温の外気に触れることで、湯気となって見えます。

たいていは、マフラーから30〜40cm離れたところで消え、臭いもありません(※排気ガス特有の臭いはあります)。

しかし、マフラーからの煙がなかなか消えない場合、そして強い臭いがする場合は、以下のようなトラブルを抱えている可能性があります。

クルマが加速するときに白煙が出る場合

エンジンオイルは、金属同士の摩擦を減らす潤滑作用や、各部品の隙間を密閉してガス抜けを防ぐ密封作用、エンジン内部の熱を吸収する冷却作用、エンジン内部の汚れを取り込んできれいにする洗浄作用、エンジン内部を錆から守る防錆作用など、さまざまな役割を担っています。

このエンジンオイルは、ポンプによってエンジン全体に循環されていますが、燃焼室に入り込んでしまうことはありません。これは、ピストンとシリンダーの間にあるピストンリングという部品がぴったりとシリンダーに密着し、燃焼室の外壁のオイルをきちんと掻き出しているからです。

しかし、ピストンリングが摩耗して隙間ができ、エンジンオイルを十分に掻き出すことができなくなると、オイルが燃焼室に侵入してしまいます。これを「オイル上がり」といいます。エンジンの回転数が上がる(=加速する)ときに白煙が出る場合は、このオイル上がりの可能性があります。

エンジン始動時や減速時に白煙が出る場合

シリンダーやピストンリングではなく、吸排気バルブに付くステムシールのゴム製パーツが硬くなって縮んでしまった場合、その部分から燃焼室にオイルが侵入してしまうことがあります。

これは、スロットルバルブが閉まっている(アクセルをオフにしている)ときに燃焼室内が負圧になり、バルブステムやバルブガイドの隙間から、オイルが下に吸い込まれる「オイル下がり」という現象です。

オイル上がりもオイル下がりも、エンジンオイルを定期的に交換せず、劣化した状態で長期間、長距離を走行した場合に発生しやすいトラブルです。白煙が出ているということは、燃焼室に侵入したオイルが燃え続けているということですから、そのまま放っておくと、最悪の場合、ピストンが焼きつき、何十万円も払ってエンジンのオーバーホールをしなければならなくなります。

その他考えられる原因とは?

エンジンルーム内からクーラントの臭い(甘い臭い)がしたり、クーラントの量が異常に減っているような場合にはすぐに点検が必要です。

エンジンのシリンダーブロックと、シリンダーヘッドの間には密閉性を保つためのヘッドガスケットという部品があります。これにより、オイルや冷却水は、ブロックとヘッドのすき間に染み出すことがありません。

ヘッドガスケットは、たいてい金属の薄い板で出来ており、潰れることで密閉性を高めています。

しかし、冷却水パイプの劣化やラジエーターの破損により、冷却水が漏れて少なくなり、そのまま気づかずに走行してオーバーヒートを起こしてしまうと、ブロックやヘッドが熱で歪んで、すき間からオイルや冷却水が燃焼室に侵入します。それらが白煙となってマフラーから出ていたら、修理が必要です。


マフラーから煙のようなものが出ていたら、重大なエンジントラブルを未然に防ぎ、高額な出費をなくすためにも、必要に応じた点検を行いましょう。

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文・立花義人
5歳の頃に自動車図鑑で見たアルファロメオのデザインに衝撃を受け、以降クルマに魅了される。様々なクルマの個性を知りたいと考え、免許取得後国産・輸入車問わず20台以上を乗り継ぐ。車検整備を取り扱う企業に勤務していた際、メンテナンスや整備に関する技術や知識を学ぶ。趣味はドライブ、食べ歩き。現在の愛車はパサート・ヴァリアント。

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