サイドブレーキを引いた時の、ギッという音の正体とは?

パーキングブレーキの構造

サイドブレーキ

以前は、運転席と助手席の間に設置されていたサイドブレーキ。手引き式は、レバーを引き上げると、車体に取り付けられたワイヤーケーブルが引っ張られ、後輪のブレーキを作動させます(※ちなみに、スバル レオーネというクルマは前輪にサイドブレーキを設けていました)。

足踏み式は、パーキングブレーキペダルを足で踏むことで、ワイヤーケーブルが引っ張られ、後輪のブレーキが作動する仕組みになっています。

このように機械式パーキングブレーキは、ワイヤーケーブルによるアナログ的な構造で、エンジンやバッテリーの状態に関わりなく作動するように設計されていることがほとんどです。

サイドブレーキを引いた時にする音とは?

機械式パーキングブレーキでは、作動させた状態でしっかり固定され、簡単に戻ったり緩んだりすることのないよう、「ラチェット機構」という仕組みが採用されています。

ラチェット機構は一般的に、角度のついた歯を持つ歯車と爪の組み合わせでできており、ある方向に回転するときには歯の山が爪を乗り越えて回すことができますが、逆方向に回そうとすると爪が歯に引っかかり、ロックがかかります。

身近なところでは、自転車の車軸に使われています。そのため自転車は、ペダルを漕ぐと前に進みますが、ペダルを逆方向に回してもカチカチと小さな音がするだけで車輪に力が伝わりません。

サイドブレーキは、引き上げたときに「ギッ」という音が鳴り、ブレーキがかかった後に手を離しても歯車がかみこんだままになるので緩むことがありません。この「ギッ」というラチェットが噛み込む音をノッチ音と言います。

ちなみに最近の電動パーキングブレーキ(EPB)は、ワイヤーケーブルではなく、電気配線によってモーターを駆動させ、パーキングブレーキの作動・解除をしていますので、「ウィーン」という音が鳴ります。さらに最近では、EPBを作動させた状態でクルマを発進させると、自動的にパーキングブレーキが解除される機能が備わった便利なものもあります。

ノッチ音の減少

多くのメリットがあるEPBの普及により、サイドブレーキから聞こえるノッチ音は減っていくでしょう。

ひと昔前にあった、100km/hを超えたときのキンコン音や、ドア穴にカギを差し込んで回す触感などと同じように、「ギッ」という音が懐かしく感じるのも、そう遠くないかもしれません。

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文・立花義人
5歳の頃に自動車図鑑で見たアルファロメオのデザインに衝撃を受け、以降クルマに魅了される。様々なクルマの個性を知りたいと考え、免許取得後国産・輸入車問わず20台以上を乗り継ぐ。車検整備を取り扱う企業に勤務していた際、メンテナンスや整備に関する技術や知識を学ぶ。趣味はドライブ、食べ歩き。現在の愛車はパサート・ヴァリアント。

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