【鈴木ケンイチのダンガン一閃!】王道をゆく、安心感たっぷりの進化を見せた新型カイエン

運転席に収まると感じる、ドラマティックな進化

ポルシェ カイエン 2018年

新世代モデルを目の前にしても、正直、あまり新しさは感じない。全長を63mm伸ばし、全高を9mm下げた、フロントのエアインテークを大きくしたと言われても、その印象は旧来のカイエンそのもの。よく見ればヘッドライトがLEDになっているし、タイヤも前後サイズが異形になっている。

フロントが幅255サイズの19インチなら、リヤは275サイズだ。911などのスポーツカーには、よくあることだが、SUVとしては異例のタイヤサイズと言える。しかし、新型モデルにおけるルックス面の変化は最小限だと言っていいだろう。

一方、運転席に収まると、新世代ならではの進化が実感できる。HMI系が新しくなり、ひと足先に世代を新しくしたパナメーラやマカンと同様の意匠になっているのだ。自動ブレーキなどのADAS系も最新のものとなっていた。つまり、今どきのクルマに求められる、運転支援やコネクテッド系、エンターテインメント系といった部分は、ドラスティックに進化していたのだ。

ポルシェならではの自信ある走り

ポルシェ カイエン 2018年

一通り、内外装をチェックした後は走りのチェックだ。新世代のカイエンは、エンジンもシャシーも新しくなっている。通常のカイエンには、最高出力340馬力/最大トルク450Nmの3リッターV6ターボ・エンジンが搭載される。

高性能なカイエンSには、最高出力440馬力/最大トルク550Nmもの2.9リッターV6ツインターボ・エンジン。トランスミッションには8速ATが組み合わせる。また、前後異形ホイールを履く新世代シャシーには、エレクトリック・リア・アクスル・ステアリングが採用され、安定性と俊敏性、取り回しの良さを高次元でバランスさせるという。

試乗車は、スタンダードなカイエンであったが、そのパワーは必要十分以上であった。飛ばそうと思えば、ポルシェの名に恥じない溌剌とした加速感を味わえる。しかし、嬉しいのは、アクセルが過敏ではなく、ゆったり走ることも可能だということだ。ジェントルにもアグレッシブにも、ハンドルを握る人間の気持ちひとつで新型カイエンは、その動きを変化させるのだ。

走り全体の印象はソリッドで、スポーティと呼べるものだが、クルマが出しゃばらない。スポーティさを演出するあまり、どこかに力みや無理が見えたりしないのだ。ドライバーの気持ちを急かすことも、逆に興ざめさせることもない。スポーツカー・ブランドの雄であるポルシェならではの“風格”、または“自信”とも言えるだろう。

新技術や新アイテムを使いつつも、安心感たっぷりの意のままの走り。その走り味は、ある意味、コンサバなスポーティ・テイストであった。このフィーリングは、911やパナメーラ、マカンなどと通じるものだろう。

新型カイエン、安心感のある世代交代

ポルシェ カイエン 2018年

走り終わって、新世代のカイエンを総括してみれば、デザインや走り、実用性といった旧来の良い部分は従来の延長線上にブラッシュアップ。運転支援やエンタメ系は、時代に即応するために大幅にリファインというものであった。良いところを残し、悪いところは変えるという、ファンにとっては安心感のある世代交代であったのだ。

考えてもみれば、欧州ブランドは、こうした人気モデルのフルモデルチェンジが上手だ。デザインは同じままのように思えて、実はよく見ればディティールを大きく変化させ、新鮮さを維持させる。走り味など、そのクルマならではの魅力もしっかりと継承しつつ、技術の進化にあわせて、変化すべきところは大ナタを振るう。

そうしたモデルチェンジを行うことで、人気モデルが、次の世代も人気を維持することはできる。ところが、日本ブランドでは、意外と、これが苦手だ。新しさを求めて、旧世代の良い部分までスポイルしてしまうことが多い。

そういう意味では、第3世代のカイエンの進化は欧州ブランドならではのもの。この世代も世界中で人気を集めるのは、間違いないだろう。

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