マフラー、サス、バルブ…チタンパーツによるメリット・デメリットとは?

鉄やアルミとも違う、チタンとは?

クルマは、一般的に鉄(鋼板)、非鉄金属、ガラス、樹脂、各種繊維素材、炭素素材などによって構成されています。

なかでも、一部車種や高価なチューニングパーツで使われている非鉄金属があり、代表的なのがアルミニウム(以下、アルミ)やステンレス。どちらも軽量で強靭、錆びにくいという特徴を生かした使われ方をしていますが、その非鉄金属の頂点に立つのがチタンです。

熱に弱いアルミよりはるかに耐熱性が高く、アルミほど軽くはないものの、鉄より軽量(2/3程度)。バネに使った場合のたわみは鉄の2倍で、しかも導電性は弱く、海水などで錆びにくい。

つまり、軽くて熱に強く、強靭ながらしなやかなので折れたり割れたりしにくく、ヘタりにくい。錆びにくくて耐久性が非常に高い、素晴らしい金属なのです。

その特性を生かし、航空機や船舶に使われることが多いのも納得でしょう。

クルマへの採用で目立つのはマフラー

日産 GT-R マフラー (2016)

それでは、チタンをクルマに使う場合には、どのような用途が向いているのでしょう?実際には銅などを配合したチタン合金が使われますが、代表的なのはマフラーなどエキゾーストシステム(以下、排気系)です。

高熱にさらされ、かつエンジンや車体の振動を受け続ける排気系は、熱に強くて衝撃にも強くなければいけません。さらに水分やカーボンなどさまざまな物質の影響も受けますから、化学変化を起こしやすい場所でもあります。

そのため、コストの問題で鉄を使っているものの、それでは錆びやすいので高級車や社外品ではステンレス鋼が多用され、さらに上位の製品では軽くすることができるチタン製が使われているのです。

1gでも軽くしたいスポーツカーでは大きな効果を発揮しますので、GT-Rにも純正マフラーで採用されていますね。また、テールエンドには独特の青い焼き色が入りますので、その美しさも評価されています。

なぜチタンマフラーを選ぶのか?マフラーの種類とその効果とは?

スプリングにも使われる

また、サスペンションなどのスプリングにもチタン合金は採用されています。チタンの「バネに使った場合、同じ負荷応力であれば、鉄の2倍たわむ」といった特性を生かし、スプリングとしてはうってつけなわけです。

特にサスペンションスプリングの軽量化は、バネ下重量の低減につながり、ボディに装着されたマフラーよりも運動性能に良い影響を与えますから、クルマに採用するには地味ながらもっとも効果が高い箇所でしょう。

なぜ、チタンは広く採用されないのか?

それならアルミやステンレスを使わず、全部チタンにすれば最高のクルマができるのでは?と言いたいところですが、そう簡単にはいきません。

すぐに酸化皮膜をまとうので錆びにくいというメリットがある一方で、鉱石から直接取り出すことを難しくします。これが、チタンそのものが高価になる原因です。

さらに加工性の高さも魅力なのですが、それは「チタン加工向けの技術」を持っていればの話。熱に強い、しなやかですが形が戻りやすいなどのメリットは、専門の技術を使わないと加工しにくさにつながります。また、高温になると化学変化を起こすので、加工時の扱いも難しいのです。

そのため、採掘から製品になるまでの過程で非常に高価になり、製造も難しければ溶接など補修も難しいので、一般用途にはあまり向いていません。アルミやステンレスでも同じことが言えますが、チタンだけは、よほどコストや技術を惜しみなく投入できる環境に無いと扱いにくいのです。

「いろいろ突き詰めれば、鉄が一番」となり、いまだに多くのパーツが鉄でつくられるウラには、こういった理由があるのです。

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