ディーゼル×4WDの驚くほど軽快な走り。フォルクスワーゲン・ティグアンTDI 4モーション試乗記

フォルクスワーゲン・ティグアンTDI 4MOTION Rライン

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今や全世界で百花繚乱の様相を呈しているSUVカテゴリーでは、セグメントCハッチバック車をベースとする、いわゆる「コンパクトSUV」も大盛況。日本勢やヨーロッパ勢、さらにはアメリカ勢も参入し、数々の人気モデルがマーケットでしのぎを削っている。

文・武田公実 写真・Yoshi Dazai
Chapter
ティグアンTDI 4MOTIONに試乗!
新世代クリーンディーゼルを搭載
オフロードでも安心感は絶大
ディーゼル×4WDの驚くほど軽快な走り

ティグアンTDI 4MOTIONに試乗!

そんな中で最も人気の高いモデルの一つが、フォルクスワーゲン・ゴルフと基本を一にするSUV「ティグアン」。

世界で280万台以上を販売し、ドイツ本国ではSUVカテゴリーにて9年連続第一位を獲得したとされる初代の跡を継ぎ、昨2017年1月に日本市場でも二代目に進化したのだが、これまではFFドライブトレーンを持つガソリンターボTSIバージョンのみのラインナップとされてきた。

しかし今年8月末、クリーンディーゼルに4WDシステムを組み合わせた「ティグアンTDI 4MOTION」がようやくのデビューとなり、CarMeでも試乗のチャンスを得たのだ。

新世代クリーンディーゼルを搭載

期待のティグアンTDIは「EA288」と名づけられた最新世代のクリーンディーゼルを搭載する。

これは、2015年の9月にアメリカで発覚したフォルクスワーゲン社のディーゼル排ガス不正問題、世にいう「ディーゼルゲート」の当事者となった旧世代ユニットではなく、日本では今年春にパサートとの組み合わせで初導入された新世代のクリーンディーゼル

排気量1968ccの直列4気筒直噴ディーゼルにターボチャージャーを組み合わせ、150ps(110kW)/3,500-4,000rpmの最高出力と、340Nm(34.7kgm)/1,750-3,000rpmの最大トルクを発生する。

その一方で、低圧/高圧のEGR(排気ガス還流システム)に酸化触媒、SCR(尿素式選択還元触媒)、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)という当代最新のテクノロジーを併用することで、世界でも最も厳しいとされている日本の「ポスト新長期排ガス規制」もクリアしているという、まさしく最新鋭のパワーユニットである。

オフロードでも安心感は絶大

さっそくエンジンを始動してみると、アイドリング時のノイズは、上級モデルゆえにおそらく遮音対策がもう一回り入念であろうパサートの方が若干ながら静かに感じられるものの、通常のドライブで不快感を覚える、あるいは周囲の環境に気を遣わねばならないほどの騒音ではない。

また、パサートの190psスペックではなく150psに抑えられている上に、「4MOTION」システムを導入したせいか、車両重量はパサートTDIセダン(ハイライン)の1560kgより130kgも重い1690kgに達するものの、ティグアンTDIは走り出しから軽快感たっぷり。

先行発売されていた1.4リッターTSIガソリンユニット搭載モデル(車両重量1,540kg)よりも、明らかに俊敏かつスムーズに感じられる。
加えて、ディーゼルの特質を生かして極低速域のトルクが分厚いのも印象的だった。

今回の撮影に際して走行した、大きめの石がそこら中に転がる砂利道やぬかるんだオフロードに進入しても、安心感は絶大なもの。

4WDのトラクションも併せて、どこでもアイドリング+αの回転域でトコトコと走ってくれるなど、クロスカントリー車としてもなかなかのパフォーマンスを見せてくれたのである。

ディーゼル×4WDの驚くほど軽快な走り

とはいえ、現代におけるSUVの主な活動領域は、やはりアスファルト舗装路というのが実情だろう。今回のテスト車両は迫力たっぷりのボディパーツを奢り、前後とも20インチの大径タイヤを履いた「R-Line」仕様。

まずは市街地での乗心地の良さに驚かされたのだが、さらに好奇心からタイトコーナーの続くワインディングをちょっと真面目に走らせてみると、これまた意外なほどに軽快なのだ。
4WD化で後輪にも駆動を分配することによってスタビリティが担保されたことによって、ハンドリングはクイックな味付けにしても大丈夫と判断されたのだろうか「コンパクトSUV」を名乗るにはかなり堂々たるサイズや重量をまるで感じさせない、実に楽しいドライブを満喫させてくれた。

既存のガソリンターボ+FFモデルでもかなりの成功を収めているという二代目ティグアンだが、ディーゼルと4WDシステムを手に入れたことで、これまで欠けていたパズルのピースが一挙に埋まったと言えるだろう。

これで、実用性重視型SUVとしての資質がさらに高まっただけでなく、愉しいクルマとしての素養も大幅に向上した……!と感じられたのである。

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