史上最高額約54億円!オークションで高値が付いたクルマ5選

フェラーリ 250GTO(1962)オークション

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お金に糸目をつけず、好きなクルマに乗れるとしたら…なんて考えたことはありませんか?カーマニアのなかには、数台しか作られなかった憧れの名車や、さまざまな理由で希少になったクルマをオークションで落札し、購入する人がいます。日本円で10億円以上という驚きの値がついた、マニア垂涎のクルマをメーカー別に紹介します。

文・立花義人
Chapter
フォードGT40 ガルフ/ミラージュ(1968)
アストンマーティン DB4GT ザガート(1962)
シェルビー コブラ260(1962)
ジャガー Cタイプ (1953)
フェラーリ 250GTO(1962)
※1ドル=112円で計算

フォードGT40 ガルフ/ミラージュ(1968)

※写真はフォード GT40

モータースポーツの分野に注力することが企業戦略として必要と判断したアメリカのフォードは、1964年にフォード GT40をデビューさせました。

モノコックシャーシにファイバーボディといわずか908kgのボディ中心に4.7L(289cu.in)のV8エンジンを搭載し、最高速度は、330km/hをマーク。1964年に世界スポーツカー選手権に投入され、1966年から1969年までル・マン24時間レースで4連覇を達成する偉業を成し遂げました。

2012年に米国で開催されたオークションに出品されたのは、『フォード GT40 ガルフ/ミラージュ(ライトウェイトレーシングカー)』と呼ばれるモデルで、1,100万ドル(約12億円)で落札されました。

この車輌は、GT40をベースにイギリスのJWAによって製作されたプロトタイプレーシングカーで、1968年にフォードから正式にGT40の1台として認められました。エンジンは440psを発生、カーボンファイバーを使用した軽量なボディ、独立した前後サスペンション、4輪ベンチレーテッドディスクブレーキなどで武装され、1967年の数々のレースで優勝した経歴があります。

特筆すべきは、1971年に公開されたスティーブ・マックイーンの本格カーレース映画『栄光のル・マン』のカメラカーとしてこの車輌が用いられたことです。マックイーンはレーシングスピードで撮影することにこだわり、トップスピードで走行可能なこの車輌をレンタルして屋根を取り除き、機材を搭載したといわれています。

アストンマーティン DB4GT ザガート(1962)

イギリスの自動車メーカー、アストンマーティンが1959年から製造した高性能スポーツカーDB4GTを、イタリアのカロッツェリア、ザガートがさらに軽量化・高性能化したモデルです。

3.7L 水冷直列6気筒DOHCエンジンは、314psを発生、前後コイルスプリングサスペンション、4輪油圧ディスクブレーキを装備します。

わずか19台しか製作されなかった幻の名車で、その美しいスタイリングはまさにカーマニアの憧れの的です。この1962年式DB4GT ザガートは、2015年のオークションで、1,430万ドル(約16億円)という値が付けられました。

シェルビー コブラ260(1962)

イギリスの自動車メーカー、ACカーズが1953年から製造していた自動車ACエースは、英国ブリストル社製のエンジンを搭載していましたが、1961年に同社がエンジンの製造を中止すると、ACカーズは他メーカーによるエンジン提供を模索することになります。

こうした状況のなか、ヨーロッパのスポーツカーに対抗できる性能のクルマを作る計画を持っていた米国の元レーサー、キャロル・シェルビーがACカーズにクルマの製作を提案します。

ACカーズはエンジンの調達をシェルビーが行うことを条件に提案を受け入れ、フォード製の最新型4.2L V8エンジンの供給を得て車輌の製作に入ります。

こうして英米合作ともいえる『コブラ 260』が誕生します。260という数字は、260キュービックインチ(cu.in)のことで、エンジンの総排気量を表しています。

その後コブラシリーズは、MKⅡ、MKⅢと進化し、427コブラまで発展。260は、その最初期モデルとなります。こちらは、2016年のオークションで1,375万ドル(約15億円)という値が付けられています。

ジャガー Cタイプ (1953)

1951年にイギリスの自動車メーカージャガーが製作したレーシングカーです。その年のル・マン24時間レースで初優勝し、ジャガーのイメージ向上のきっかけとなったモデルです。

その後、52年モデルではグリルを小型化したためオーバーヒートに悩まされ、レースでは結果を残せませんでしたが、翌年のモデル変更ではボディを変更して軽量化も果たし、エンジンもパワーアップさせます。

ジャガーCタイプは、全体で53台が製作され、この改良された1953年モデルは2015年のオークションで、1,320万ドル(約15億円)の値が付いています。

フェラーリ 250GTO(1962)

高額オークションの常連であるクラシックフェラーリのなかでも、特に希少価値が高く人気があるモデルが、250GTOです。

GTOとは”Gran Turismo Omologato”の頭文字から採られており、フェラーリがGTカークラスを制するために1962年に開発したホモロゲーションモデルで、250、つまり250cc×12気筒=3.0LのV12 SOHCエンジンを搭載しています。

1962年から63年にかけて製造されたシリーズ1の生産台数は、わずか36台で、このうちシャシーナンバー3413GTという、3番目に製作されたモデルです。

いくつかの輝かしい戦績を残した3413GTが、2018年のオークションに出品され、なんと4,840万5,000ドル(約54億円)という、自動車オークション史上最高額を記録しました。

クルマの価格としては、驚くべき数字ではありますが、それだけ、カーマニアにとっては計り知れない価値があるものだということでしょう。停滞気味とも言われるクラシックカー市場が今後どのように発展するのか、動向に注目しましょう。

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文・立花義人
5歳の頃に自動車図鑑で見たアルファロメオのデザインに衝撃を受け、以降クルマに魅了される。様々なクルマの個性を知りたいと考え、免許取得後国産・輸入車問わず20台以上を乗り継ぐ。車検整備を取り扱う企業に勤務していた際、メンテナンスや整備に関する技術や知識を学ぶ。趣味はドライブ、食べ歩き。現在の愛車はパサート・ヴァリアント。
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