孤高のラリーカー!? 神格化されるランチア ストラトスとはどんな車?

ランチア ストラトス 1972-1975

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2018年のジュネーブショーで発表された、新型ストラトス(ストラトス コンセプト)の発売決定のニュースに驚かれた方も多いと思います。わずか25台の限定発売される新型ストラトス。その祖となる本家ストラトスとは、いったいどんなクルマだったのでしょうか?かつてラリーシーンを席巻した伝説の車、ランチア ストラトスについて見ていきましょう。

文・西山昭智
Chapter
ストラトス・ゼロがすべての始まり
ラリーのために生まれたパッケージング
WRCで快進撃を続けるも……
相次いで伝説のラリーカーが復活

ストラトス・ゼロがすべての始まり

成層圏という意味を持つストラトスのデビューは、1970年のトリノショーでのこと。ストラトス・ゼロという名前で発表されたコンセプトカーが、すべての始まりでした。このコンセプトカーは、カーオーディオのCMでも登場しているので、テレビで見かけた方も多いと思います。

このときランチアにはフルヴィアというモデルがラリーシーンに投入されており、次なるラリーカーの新星を待ち望んでいた時代。そこでランチアは、ベルトーネが手がけたこのストラトス・ゼロをベースとして次世代のラリーカーを製作することになったのです。

そして翌年のトリノショーでは早くもストラトス タイプ1が発表。市販前モデルでありながら1973年のタルガ・フローリオに参戦、2位という成績を収めたのち、グループ4のホモロゲーションを獲得するべく本格的な量産を開始しました。

ラリーのために生まれたパッケージング

全長わずか3,710mmというボディサイズのストラトスですが、そのホイールベースは2,180mmと全長に対して短めになっています。一方の全幅は全長に対してワイドな1,750mmとなり、独特のサイズバランスとなっていました。

車体の中心には、ディーノ 246GTにも採用されていた2,418cc V型6気筒DOHCエンジンを横向きで搭載。直進安定性に欠ける一方でコーナリング性能は高く、ミドシップレイアウトによる重量バランスの良さによって回頭性にも優れていたのがストラトスの特徴でした。

WRCで快進撃を続けるも……

このストラトスは、1974年にホモロゲーション獲得した直後の初戦で、WRC(世界ラリー選手権)初勝利を達成。その後も次々と優勝を果たし、1974年のマニファクチャラー・チャンピオンシップに輝きました。

さらに1975年、1976年もストラトスで勝負に挑んだランチアは、3年連続でチャンピオンの座に君臨し続けることになります。特に1975年に登場したストラトスは、アリタリア航空がスポンサーについたことで、あの白・緑・赤のトリコロールカラーで登場し、多くのラリーファンを魅了しました。

しかしここまでの活躍を見せていたストラトスも、親会社であるフィアットが投入した131アバルトに対抗することができず、ランチアのレース活動の縮小と相まって1977年にはその王座をフィアットに明け渡すこととなります。

ラリーで輝かしい成績を残す一方で、その特異なスタイリングとスパルタンな仕様が災いしてか、車両の販売につながることがなく、フェラーリからのエンジン供給が滞ることもあって、商業的には決して成功したモデルとはいえませんでした。

相次いで伝説のラリーカーが復活

そんなストラトスですが、1973年に始まったWRC創世期において輝かしい成績を収めたことは間違いありません。彗星のごとく1974年に登場し、瞬く間にラリーシーンを席巻。ランチア黄金期の礎となったモデルこそが、ストラトスという車だったのです。

登場から40年以上の月日が経った現在でも多くのファンを魅了するだけでなく、今回、21世紀版のストラトスが復活するのもそんな人気ぶりを表しているといえるでしょう。

ちなみに1973年の第1回WRCでマニファクチャラー・チャンピオンシップを獲得したアルピーヌ A110も先日、現代版として復活を遂げており、こちらは日本でも発売されています。


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