スーパーカーの証?ガルウィングを採用するメリットとは

ひと口にガルウィングと言っても、じつは種類があった!

ランボルギーニ ムルシエラゴ

上下に開閉するドアすべてが、ガルウィングであるかと言うと、そうではありません。じつは開く角度やドアの支点によって、その名称は異なります。

たとえばランボルギーニで多く採用されている、ドア前側を支点に上方に跳ね上げる形式は「シザーズドア」です。ドアが開くとハサミのように見えることからそう呼ばれ、ランボルギーニのアイコンとなっています。

マクラーレン 720S

フェラーリの限定モデルやマクラーレンに採用される「バタフライドア」は、Aピラーを支点に前方に開閉する姿が蝶に似ていることから名前がつきました。

そして「ガルウィング」は、クルマの屋根とドアの接点を軸に跳ね上げる形式で、前述のようにカモメを連想させることから名づけられました。

ガルウィングの歴史

デロリアン

そもそもガルウィングドアは、いつ誕生したものなのでしょうか?

もっとも有名なガルウィングを持つ市販モデルと言えば、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で登場したデロリアン DMC-12(1981年発売)ではないでしょうか。

しかし、じつはそれよりも遥か前、1954年にすでにガルウィングを採用した量産型モデルがありました。それが当時ワークスチーム用に開発されたガチガチのレーシングカーを公道用に仕立て直したメルセデス・ベンツ 300SLです。

メルセデス・ベンツ 300SL

300SLにガルウィングがつけられた理由は、ドライバーの乗り降りの簡便化でした。ボディ剛性を高めることを目的とした車体の構造上、サイドシルは高く、太く設計され、さらに重心を下げるため車高を低くすると、一般的な横開きドアでは乗り降りが難しくなってしまったのです。

そこでガルウィングを採用することで、ドライバーの乗り降りを容易にしたのです。レーシングカー生まれであるが故の、苦肉の開閉方式であったと言えます。

ガルウィングの実用性

市販車において、ガルウィング(シザーズドアやバタフライドアを含む)が採用されない理由は、実用面でメリットよりもデメリットのほうが多いからであると考えられます。

ドアをクルマの上部に取り付けるためには、その重量を支えるためのルーフの剛性やドアの強度が必要になります。当然、車重は増え、製造コストもかさむといったデメリットが生じます。

他にも、日常ユースでは間隔の狭い駐車場や天井が低いところでは、乗り降りに気を使うなどの不便さもあります。人が多いところでは注目を浴び、恥ずかしいと感じることもあります。

また、万がいちクルマが横転したときには、ドアが開かなくなることがあるため、フロントウィンドウシールドを内側から蹴って破れるよう設計したクルマもありました。

しかし、そもそもガルウィング等に実用性を考えること自体ナンセンスなのかもしれません。

ガルウィングが採用されるクルマの大半は、機能性よりもデザイン性を重視しています。フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンなどいわゆるスーパーカーは、実用性を代償にすばらしいデザインと性能を手に入れているのです。

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