空き地に放置されているクルマって誰が処分するの?

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近所の空き地で朽ち果てそうになっているクルマや、マンションの駐車場などに長期間放置されて大量のホコリを被ったクルマ。土地の持ち主なり、マンションの管理人なりが、処分すれば良さそうに思いますが、簡単には処分することが出来ない事情があるのです。今回は、このように放置された車は、誰がどうやって処分するのかみていきます。

文・吉川賢一
Chapter
放置車両とはどういったものか?
面倒なのは、私有地に放置されたクルマ
なぜ放置車両が生まれるのか?

放置車両とはどういったものか?

放置車両には、大きく分けて2通りあります。”一般道や国道など、道路に放置してある場合”と、”私有地に放置してある場合”です。

道路上に車両が放置してある場合、その道路を管理する自治体の警察および行政が対応することになります。行政が処分をする場合、その放置車両を「廃棄物」として行政が「認定」をしたうえで、「放置されたゴミ」として撤去をします。

廃棄物と認定するには、警察への届け出と警察による調査を実施し、使用者や所有者が特定できれば、行政から直接指導を行うこともあります。なお、警察によって、「放置車両確認標章」の貼り付けが行われると、使用者のみならず所有者にも違反金の納付が発生することがあります。

面倒なのは、私有地に放置されたクルマ

マンションの駐車場など、私有地に放置された車両は、たとえ無断で駐車をしているとはいえ、所有者の承諾を得ること無く、勝手に放置車両を撤去するわけにはいきません。撤去したあとでクルマの所有者から言いがかりや因縁をつけられて、最悪の場合、裁判になることもあります。

また、警察に訴えても、民事不介入という原則を理由に、積極的には動いてくれないことが多いそうです。

そのため、放置車両を撤去するには、「どれくらいの期間が経っているのか?」「所有者は特定できているのか?」「その車に市場価値があるか?」など、あらゆる要素を確認しながら、慎重に進める必要があります。

私有地に放置された車両を撤去するためには、以下の手順を踏む必要があります。

1、所有者を探す努力をする
・警察に事件性の有無を確認する
・登録事項等証明書・住民票を取り寄せて、所有者の氏名・住所を確認する、など

2、撤去の告知を行う
・車に貼り紙を貼り、車の撤去を促す
・所有者に内容証明を送る、など

3、車を撤去する正当な理由を作る
・日付の付いた写真等で長期間車が放置されている証拠を残す
・放置されたことによる損害額を算出する、など

4、車の価値がないことを確認
・車の内部・外部を写真で保存する
・車の状態・車検の有無・年式等から市場価格 がないことを確認する、など

ただし、上記の手順を実施しても所有者からの訴訟リスクはあります。また反社会的勢力などは、訴訟という正攻法すらしてこない場合も多くあるようです。

直接車両を撤去するような法律の整備がなされていないため、現時点は、これらの正当な方法で自己防衛をすることしかありません。

なぜ放置車両が生まれるのか?

自動車は所有者が陸運局で所有者登録されている「動産物」というくくりになります。しかしながら、名義変更をしないままの転売や盗難で名義変更や廃車抹消手続きができなかった、車の廃車に係る処分費用が支払えないといった理由で、放置していくパターンが多くあるそうです。

余計なトラブルや面倒な手続きをやりたくない場合には、放置車両の撤去を専門とした有料サービスがありますので、それらを利用することをおすすめします。また、一連のやり取りには、必ず警察を通して行うようにし、自分ひとりで解決をしないようにしましょう。

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