顧客層の若返りへ!新型トヨタクラウンに乗って感じた魅力

トヨタ クラウン RS 試乗

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新型クラウンの売れ行きが大変好調です。発売1か月で約30,000台を受注し、月販目標4,500台の約7倍が売れたことになります。トヨタが狙う「顧客層の若返り」が、功を奏したのでしょうか?2.0 RSの試乗から、新型クラウンの魅力を探ります。

文/写真・吉川賢一
Chapter
クラウンの歴史
安心、快適なドライビング
良好な視界に
引き締まった乗り心地
パワーに優れた元気なエンジン

クラウンの歴史

「いつかはクラウン」というキャッチコピーは、35年前、1983年の7代目クラウンに用いられたものでした。”日本の高級車”の代名詞として、広く認められたクラウンですが、固定客の平均年齢層は70歳代に近いといわれ、ここ数世代は「若返り」がテーマになっています。

15代目となる今回の変革は、アスリート、ロイヤル、マジェスタの3つのシリーズを廃止し、「クラウン」に1本化したことです。車両は「若返りをしながらも、すべての世代に乗ってほしい」という意気込みで作られており、メーカーそして販売サイドも、大変力を入れているようです。

安心、快適なドライビング

今回、試乗したのは、スポーティな外観をまとったRS仕様の2.0Lモデル。この2.0L直噴ターボエンジンには、8ATのトランスミッションが組み合わせられています。

足まわりには、専用フロントスタビライザー、リニアソレノイド式AVSがRS仕様共通。さらにリヤパフォーマンスダンパーとリヤフロアブレースが、2.0Lモデルのみに装備されています。

そんな2.0 RSは、一般道であっても、高速道路であっても、そっとハンドルに手を添えているだけで、滑らかに、真っすぐに突き進みます。ステアリングアシスト機能が、レーン中央を走行するよう、やんわりとサポートをしてくれるので、非常に安心ができます。多少、気を抜いて運転していたとしても、クルマ自身が真っすぐに進んでくれるので、非常に快適です。

また、コーナーやレーンチェンジのようなシーンにおいては、ステアリング操作に対して俊敏に反応してくれます。「BMW5シリーズ、メルセデス・ベンツEクラスをベンチマークにして開発した」というアナウンス通り、まさに欧州車のような俊敏さと落ち着きを両立した挙動は、もはや同等以上に感じます。

良好な視界に

最新のTNGA技術によって車両重心は低く、ドライバーの着座位置も低くなり、運転時の安定感が一段と増した印象です。

Aピラーは、ドライバーの視線を考慮したデザインで、十分な強度を確保しながら、視界には邪魔にならないよう形状が工夫されています。死角も少なく、安全確認がとてもやりやすいです。決して、小柄とは言えないクラウンのボディですが、視界が良いだけで、どなたでも運転しやすいと感じるはずです。

引き締まった乗り心地

タイヤは、225/45R18サイズのブリヂストンREGNO GR001を装着しており、低扁平のタイヤをはいているクルマ相応の乗り味でした。

乗り心地の印象は欧州車に近く、ふわふわと振動が残る乗り心地ではなく、ダンピングが効いて引き締まった印象です。先代までのクラウン・ロイヤルのイメージで乗り込むと、やや硬めに締め上げていると感じます。

パワーに優れた元気なエンジン

2.0Lターボエンジンの印象は「踏めば速い」です。車両設定が、NORMALやCOMFORTモードであれば、ジェントルな落ち着いた運転になりますが、SPORT+モードにすれば、アクセルにダイレクトに反応するようになります。

ちなみにカタログ燃費(WLTCモード:郊外モード)は、12.4km/Lです。3.5Lハイブリッドの16.0km/L、2.5Lハイブリッドの20.0km/Lに比べると、もっとも低い値です。


新型クラウンは、BMW5シリーズ、メルセデス・ベンツEクラスをベンチマークして開発してきたそうです。現時点の販売は絶好調ですが、今後は同価格帯の欧州車がもつブランドバリューに勝てるかという点がネックになると思われます。

新型クラウンの”価値”がお客様に伝わり、そして共感を得られるか、今後が非常に楽しみです。

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