欧州高級車メーカーは、ボディを接着剤で留めているって本当?

接着剤が使われている車は?

BMW 7シリーズ 2015

構造用接着剤の使用は、おもに欧州メーカーが先行しており、なかでも高級ブランドでの使用が多くなっています。そのほとんどは工場のマシンによってオートメーション化されており、人の手で接着剤を塗布することはほとんどないそうです。

接着剤の使用量は、アウディA6は90m(グラム換算で400~800グラム)、メルセデス・ベンツAクラスは120m、BMW7シリーズは150mと、相当な長さを接着していることになります。※接着剤の使用量は、一台の車を組み立てる際に塗布した接着剤の長さで表すのが一般的です。

ちなみにBMWは、エポキシ樹脂系接着剤よりも短時間で接着できる、二液ウレタン系接着剤を使用しており、組み立て時間の短縮も行っています。

一方、日本メーカーでは、トヨタ自動車が採用を始めており、スポット溶接とエポキシ系樹脂接着剤を組み合わせた方法(スポットウエルドボンド工法)を独自開発しました。採用実績は、新型プリウス、レクサスラインナップが中心となっています。

エポキシ樹脂系接着剤のメリットとデメリットは?

エポキシ樹脂系接着剤は、機械的強度・耐熱性・耐薬品性・接着性に優れており、硬化収縮が小さく、自動車のような大きな構造に使うのに適しています。

接着剤には、一液性と二液性があります。一液性の場合、硬化するには250~300℃の高温で加熱する必要があります。一方、二液性は常温で硬化することができますが、硬化剤の扱いが難しいことがデメリットになります。

また、なかなか普及していかないのは、従来の溶接方法を接着剤による工法に移行するには、莫大な投資が必要となることが一因のようです。

ちなみに、CFRP(炭素強化繊維)にはカーボン繊維を熱硬化させるためにエポキシ樹脂が使われており、車体をつけるエポキシ樹脂系接着剤との相性がとても良いです。ルーフをカーボン製にしているスポーツカーの多くは、こうしたエポキシ樹脂系接着剤にて固定されています。

トヨタ プリウス

これまで構造用接着剤は一部の高級車にのみ採用されていましたが、パネルの一部のみに接着剤を使ったプリウスなども登場してきました。こうした接着車体の車両に乗ってみると、走行時の圧倒的な静けさを体感することができます。

この接着車体のような基礎技術は、乗員へ快適な移動空間を提供するためにも、さらなる進歩を期待したいですね。

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