馬力がカタログ値と実測値で異なる理由

カタログはエンジン軸出力の数値である

シャシーダイナモ

同じエンジンなのにカタログと実測で異なる数値が出てしまうもっとも大きな理由が、計測方法です。

自動車メーカーがカタログに掲載する数値は、JIS規格に定められている”自動車用エンジン出力試験方法”、通称ベンチテストと呼ばれる試験で計測された値です。このベンチテストは、エンジンを車両に搭載しない状態で、馬力や耐久性などを測定する試験です。

 一方、実測値は、車両にエンジンを搭載した状態で、シャシーダイナモで計測します。シャシーダイナモは、ローラー上にタイヤを載せて行うシャシーダイナモメータ方式と、タイヤを外して車軸に装置を付ける車軸直結方式がありますが、いずれも車両が走行できる状態で計測します。

この違いによって、どうしてもカタログ値と実測値の間に差異が出てくるわけです。

実験はどのように行われているのか?

自動車のエンジンに使われている試験方法は、ネット軸出力です。

ネット軸出力とは、JIS規格によると「エンジンを特定の用途に使用するのに必要な付属装置をすべて装着して測定した軸出力」で、エアクリーナー、排気ブレーキ、速度制限装置、吸気消音器、ラジエーター、ラジエーターファン、サーモスタット、電子制御装置などを装着することになっています。

ただし”車両の作動のみに必要となる付属装置は取り除く”と規定されおり、駆動系のパーツは装着する必要がありません。

一方で、実測値は完成車がシャシーダイナモ上で走るかたちになるため、すべてのパーツを装着した状態で試験することになります。クラッチ、ドライブシャフト、ハブ、ブレーキローターなど駆動系のパーツを通してタイヤで発生したパワーが、実測値の馬力として計測されます。

エンジンと計測する場所が離れているほど、ロスが生じやすくなるため、カタログ値と実測値の差異が生じやすくなります。

次ページ計測環境が違うと結果も変わる

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