オフロード車のタイヤの扁平率がとても高いのはなぜ?

独特の構造を持つオフロードタイヤ

無題

80年代から90年代にかけて大流行したオフロード(クロスカントリー)4WD。その頃は、オンオフ兼用の「オールテレーン(A/T)タイヤ」や「マッドテレーン(M/T)タイヤ」もトレンドとなりました。

ところが、昨今のSUVではこうしたタイヤを付けている車はほとんどありません。多くのモデルが扁平率の低いサイズをチョイスしており、アグレッシブなモデルだと40%扁平のスポーツカーばりのタイヤを履いています。

ちなみにタイヤの「扁平率」とは、タイヤの断面幅(トレッド面)に対する断面の高さ(ハイト)の比率。一般的に扁平率が低いと言えば、タイヤの幅があるのにハイトがないペタンペタンのタイヤのことを言いますね。一方で扁平率が高いタイヤとは、幅は比較的狭くて、ハイトが高い、まさにオフロード用タイヤのようなものを指します。

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さて、オフロード用タイヤは実に独特な構造を持っています。まず舗装路用のタイヤに比べると、プライ数が多くなっています。「プライ」とは、タイヤの内部に巻き付けてある補強材のこと。木綿の糸で編んだベルト状のものです。重量物を運ぶトラックや、激しいオフロードを走る4WD車用のタイヤは、このプライが多く巻き付けてあります。

タイヤの横の部分も違います。ホイールのリムに接している部分からトレッド面までの横の部分を「サイドウォール」と言います。オフロードでは路面からの衝撃が強い上に、岩などの障害物にタイヤが接触することが非常に多くなります。尖った岩に接触した場合、タイヤには簡単に穴が開いてしまいます。

そこで、サイドウォールにも補強材を入れて、簡単に穴が開かないようにできているのです。ラリーレイド用のレースタイヤなどには、さらにゴムのシャーリング(蛇腹)を入れて補強しているものもあります。最近では、泥の溝などでサイドウォールによってトラクションが稼げるように、バターンが入っているタイヤもあります。

オフロードタイヤのトレッド面の溝が深い理由

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トレッド面も独特です。舗装路用タイヤは比較的浅い溝(グルーブ)がトレッド面に掘られていますが、オフロードタイヤはまるでブロックのような深いパターンとなっています。まずブロックのようになっているのはそれぞれの「角」を凹凸に当てて、それによって路面との摩擦力を少しでも稼いで、前進するための駆動力を発揮するためです。

溝が深いのは、それだけではありません。オフロードでは砂利や砂、泥など、舗装路にはない路面がいっぱいです。特に泥はやっかいで、タイヤのトレッドに詰まってしまいます。

そのため、トレッド面は溝が広い上に、「セルフクリーニング性能」といって溝の深さや溝の配置を泥が外に出やすいように考慮されてます。タイヤが地面に接地する時にギューッと中の異物を圧縮して、タイヤが地面から離れる時にペッと外に吐き出すような仕組みです。

さらに材質も舗装路用タイヤとは異なり、トレッドのブロックをよく動かすためにしなやかさが求められます。ですが、あまり柔らかいと舗装路での操縦性が悪化する上に、未舗装路での耐久性が低下してしまいます。非常に高次元のバランスが求められるのです。

舗装路用のタイヤが単純にできているとは言いませんが、舗装路も未舗装路も走るためのオフロード用タイヤは、実に様々な性能が考慮されているのです。

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