アウディの4WD「quattro(クワトロ)」が2度も世間を驚かせた理由

アウディ クワトロ 1980

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現在は、VWグループとなっているアウディの創業は、1909年のことでした。1932年には、4つの自動車メーカー(アウディ、DKW、ホルヒ及びヴァンダラー)を統合したことで、現在にいたる4リングスのエンブレムが完成。新しくアウトウニオンAGが創設されます。その後、大戦を経て1964年以降はVWの傘下となりますが、創業以来「Vorsprung durch Technik(技術による先進)」をテーマに掲げるアウディは、多くの人が独立したメーカーと勘違いするなど、際立った個性を持っています。今回は、技術による先進を続けるアウディの代表的なテクノロジー「quattro(クワトロ)」を見ていきます。

Chapter
クワトロとは?
1980年、クワトロがデビュー
ラリーカーにも進出
進化するクワトロ

クワトロとは?

アウディといえば、quattro(クワトロシステム)を思い浮かべるクルマ好きは多いはず。アウディの4WD(4輪駆動)システムを表す名称ですが、通常の4WDとなにか違いがあるのでしょうか?

ずばり、クワトロシステムとは「高速道路を含めたオンロードで、速さと安定性を両立するための4WD機構」です。

初めてクワトロシステムが搭載されたモデルは、1980年登場の2ドアクーペ、アウディ クワトロでした。

それまでの4WDといえば、悪路を走破するためのもので、車両のスポーツ性向上に利用することなど皆無でした。それを、高速走行での安定性向上のためのシステムに変えたのが、クワトロシステムです。

1980年、クワトロがデビュー

1980年、ジュネーブショーでデビューしたアウディ クワトロ(Quattro)には、センターデフを内蔵したフルタイム4WDが採用されていました。このシステムは、ハイパワーを効率良く4輪に配分することで、ハイスピードドライビングを実現。それまでの4WDの概念を大きく変えることになり、世界の自動車メーカーに驚きを与えました。

その衝撃は、現在のスーパースポーツの多くがフルタイム4WDを採用していることを見れば、図ることができます。つまり、アウディ クワトロは、その後のスポーツカー作りに多大な影響を与えたのです。

ラリーカーにも進出

アウディは、クワトロシステムの性能を証明するため、1981年よりWRC(世界ラリー選手権)にアウディ クワトロを投入します。

出場した当初は「なぜわざわざ4WDのような複雑で重量がかさむ駆動方式で走るのか?」と4WDでの出場を疑問視する声が上がりましたが、1986年までに23回(グループBを含む)の勝利を収め、4つのワールドチャンピオン タイトルをアウディにもたらしました。

アウディにとって、これほど気分がいいことはなかったでしょう。

進化するクワトロ

現在のクワトロではモード選択が可能になり、FWDが基本で必要に応じて4WDに切り替わります。

燃費は、トルク配分やシステムの軽量化によって優れた低燃費を実現していますが、同じモデルの前輪駆動車にはおよびません。今後は、e-tronを発展させたスポーツクワトロの登場が待たれます。
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