【鈴木ケンイチのダンガン一閃!】キャデラック XT5はアメリカの伝統を知ることができる都会派ミッドSUV

ニューヨーク発!都会派ミッドSUV「キャデラックXT5」

キャデラックXT5 7人の侍

また、キャデラックは、このモデルを皮切りに、XTの名称をつけたクロスオーバーの新型モデルを投入するともアナウンスしています。XTのシリーズ化を狙っているのです。新しいXTシリーズの一派をうまく売っていくにはトップバッターであるキャデラックXT5は重要です。開発には、それだけ力の入っていると見ていいでしょう。

ちなみにキャデラックというブランドは、アメリカ車の中でも特別な存在感を備えています。日本車でいえばトヨタのクラウンですね。高級車=キャデラックというイメージです。

実際にキャデラックは1902年の誕生から長年、アメリカの最高級モデルという地位を守ってきました。第二次世界大戦が終わったころから1960年くらいまでは、戦場となった欧州は疲弊していましたから、アメリカ車はどこよりも性能と品質の良いクルマと認識されていました。

日本でも、「ドイツ車よりもアメリカ車の方がよくできている」という時代があったのです。その高性能で高品位なアメリカ車のトップがキャデラック。かつては誰もがキャデラックに憧れていたのです。

しかし、時代が下がるにつれ、欧州は復興し、日本車も台頭してゆきます。アメリカ車の地位は相対的に低くなり、キャデラックを「ドイツ車よりも下」とイメージする人が増えてゆきます。もちろん、アメリカでは今もキャデラックの名声は盤石ですが、日本におけるステータスは相当に低いものに。GMは、そんな状況を覆したいのでしょう。

2015年からキャデラックは独立したビジネスユニットとして再編され、キャデラックの本部機能はGMの本拠地デトロイトからニューヨークに移されました。そうして生まれたのがキャデラックXT 5です。アメリカ市場には2016年から発売されています。

キャデラックの伝統を引き継ぎつつも、ニューヨーク発という、都会的な雰囲気も備えるのが特徴です。

街中をスムーズに快適に移動する。あくまでもラグジュアリーに。

キャデラックXT5 7人の侍

デザインは、他のキャデラック車と同様に、エッジの効いたライト周りや大きなグリルを備えており、キャデラックの伝統を継承しています。一方でクルマ全体のフォルムは、窓が小さく、ギュッとした塊感があり、非常にモダンです。

都会派のクロスオーバーを標ぼうするのも納得します。室内に目をやれば、そこはキャデラックらしい高級感が感じられます。レザーやウッド、金属の飾りなどを巧みに使った室内は、上品なだけでなく、どこか温かみが感じられます。これが、欧州車や日本車とは違った、アメリカの高級車の世界観なのでしょう。

キャデラックXT5 7人の侍

新世代のプラットフォームは、超高張力鋼板やレーザー溶接、構造用接着剤などの最新技術を採用することで、GMの同クラスの他モデルと比べると、ボディは90kgほども軽くなっています。車両重量は1990kgで、このクラスとしては優秀な数値です。

組み合わされるのは最高出力314馬力/最大トルク368Nmの3.6リッターV6エンジンと8速AT。駆動方式はモードセレクト付きの4WD。ツーリングモードではFFにして燃費を稼ぎます。ただし、燃費性能は発表されていないのが残念なところです。

314馬力のエンジンは、いざとなれば鋭い加速を可能ですが、どちらかといえばジェントルなキャラクター。振動の少ないスムーズなエンジン・フィーリングです。クルマ全体の動きも欧州スポーティSUVと比べれば、おっとりとしたもの。では、それが悪いかといえば、それは間違いでしょう。その鷹揚な動きこそが、アメリカのクルマの魅力です。

整備された広い高速道路を時速200kmで走るクルマではありませんし、狭くツイスティなワインディングを攻めるのもキャデラックXT5には畑違いでしょう。あくまでも街中をスムーズに快適に移動するのが主目的。高速道路を使った移動でも、シャカリキに飛ばすのではなく、あくまでもラグジュアリーに。それがキャデラックです。

キャデラックの伝統を感じさせるデザインに、豪華なインテリア。そして高級アメリカ車の走り。キャデラックXT5は、アメリカ人が作ったアメリカ人のためのアメリカ車です。それも高級な。そうした世界観こそが、キャデラックTX5の最大の魅力です。

ちなみにカーナビはありません。右ハンドルもありません。でも、アメリカの雰囲気はたっぷりと味わえます。それがキャデラックXT5です。

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