BMW M8 グランクーペ が担う役割

BMW M8 グランクーペ

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BMWのスーパーサルーンとなる「M8 グランクーペ」のコンセプトカーが、ジュネーブモーターショー2018に登場しました。

BMW M7の上に位置するフラッグシップMとしてM8に課せられた役割は『人々を惹きつけること』。今回は、このM8 グランクーペをみていきます。

文・吉川 賢一

吉川 賢一|よしかわ けんいち

モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。

吉川 賢一
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20年ぶりの復活となる8シリーズ
いかにもラグジュアリーな8シリーズのエクステリア

20年ぶりの復活となる8シリーズ

2019年後半に登場予定の最上級モデル、BMW 8シリーズ グランクーペ。2ドアのクーペ、コンバーチブルとともに、新しい8シリーズを形成するモデルです。そのなかでもフラッグシップに位置するM8 グランクーペがジュネーブモーターショー2018で発表されました。

BMWは、この新しい8シリーズで、ポルシェ パナメーラ、メルセデスAMGの新型4ドアGTクーペなどと競合する、ラグジュアリーマーケットに参戦します。ジュネーブモーターショーで公開されたのは、そのプレビュー版のコンセプトでした。

ちなみに初代8シリーズは、BMWの最上級クーペとして1989年にフランクフルトモーターショーで発表、1990年に発売開始しされたフラッグシップモデル。リトラクタブルヘッドライトに、流麗なボディデザイン、そしてV型12気筒もしくはV型8気筒エンジンを搭載し、圧倒的なパフォーマンスを誇る1台でしたが、1999年に生産終了しました。

およそ20年ぶりに復活する8シリーズ、おおいに気になるところです。

いかにもラグジュアリーな8シリーズのエクステリア

8シリーズの2ドア版は、すでにヴィラ デステ コンコルソ デレガンツァでコンセプト8シリーズ クーペが発表されています。そのクーペからデザインエッセンスは共通として、4ドアとなったグランクーペは、圧巻のデザインとなっています。

まずフロントデザインは、新しいパターンのキドニーグリル(新型BMW X2とも同じテイスト)を採用し、7シリーズよりもやや小型化されたヘッドライトには、LEDのアイライン入り。フロントサイドから見ると、切れ長のヘッドライトが、より迫力あるフロントフェイスを作り上げています。
サイドからみると、低いノーズ、長いボンネットと、クーペを彷彿とさせるデザインをしており、そこに大径タイヤが前後に配置され、いかにもラグジュアリーなスポーツカーのオーラを醸し出しています。

さらに前輪の背後に穿たれたエアブリーザー、ドアへの深いプレスライン、リアタイヤに向かって張り出していくリアのフェンダーなどが、迫力あるデザインとなっています。

そのルーフラインは、トランク後端の跳ね上げラインまで、滑らかにつながり、エアロダイナミクスを考慮したメカニズムも相当含まれていると考えられます。
リアは、迫力を感じさせてくれる造形です。なだらかな傾斜のCピラーからリアエンドへとつながったラインは、リアトランクへとつながっています。

テールランプはLEDによるラインで構成、迫力のあるリアバンパー、4本出しマフラー、リアのアンダーディフューザーなど、Mらしいデザインが装備されています。歴代Mの中でも、相当攻撃的なデザインだと感じます。

量産版8シリーズはガソリンエンジンを搭載する予定。Mには4.4ℓV8ターボ、さらにM760iに採用されている、6.6ℓV12ツインターボを積むことになります。
贅を尽くした内外装でラグジュアリーを表現するだけでなく、BMWらしい圧倒的なパフォーマンスを合わせて提案されるこのクルマ。実際に目の前を走れば、クルマに詳しくない方も目を奪われるではないでしょうか。

M8 グランクーペを購入する層は限られるとは思いますが、メーカーイメージを向上させ、デザインエッセンスを他のモデルへも転写することで、BMW全体の販売台数を増やす戦略が推測できます。その役目を果たすには、十分すぎるラグジュアリーカーだと考えます。

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