ああ懐かしい、ウッドパネルが使用されている車

ステーションワゴンには定番だったウッド

フォード Super Deluxe stationwagon(1946)

最近では、ちょっとレアなカテゴリーになったステーションワゴン。開拓時代の駅馬車がその由来です。

鉄道の駅を中心に、各地の町に行く交通手段が駅馬車でした。19世紀初頭に自動車時代が訪れましたが、アメリカでは相変わらず鉄道が中心。駅に荷物を持って降り立った旅人は、目的地までトラックに人と荷物を載せられるように架装した車に乗っていました。これもまた「ステーションワゴン」と呼ばれていたのです。

これらの自動車は、乗用ではなく商用として扱われたので、フレームはむき出しで窓ガラスなどはありません。つまりはトラックに木製の枠を載せせたような形状だったのです。こうしたワゴンは”ウッディ”と呼ばれていましたが、30年代に入って自動車のボディが金属で作られるようになっても、相変わらずステーションワゴンのドアは木製で作られていました。

ウッディワゴンは30年代中盤まで製造されましたが、その後もカスタムとしてサイドドアやリアゲートにウッドパネルを使う手法が残っていきました。これは、アメリカのライフスタイルに要因があります。

アメリカは重厚な雰囲気の物を好む傾向があります。アメリカンカントリースタイルといった生活様式がまさにそれで、アーリーアメリカの雰囲気が香るウッディな家や家具が流行したりしました。

こうしたカントリースタイルはイギリスにも存在し、60年代には端材をボディに貼り付けたようなミニ カントリーマンやミニ トラベラーのような車が多く走っていました。

70年代から80年代になると、さすがに木製の車はなくなりましたが、自然派生活を標榜するユーザーの間で、ウッディワゴンを模したドレスアップのステーションワゴンが流行し、メーカーもこぞって発売していました。

80年代の日本でも大流行

日産 サニー カリフォルニア (1980)

そのころ、日本の自動車文化、特にドレスアップのカテゴリーでは、アメリカのトレンドが色濃く反映されていました。ウッディワゴンも日本に飛び火して、国産メーカーがウッディワゴンのドレスアップを施したグレードやオプションを設定していました。 

まず思いつくのが、日産サニーのバリエーションモデルだった「サニー カリフォルニア」。当時、日本でも流行してサーフィンライフを思わせるようなネーミングです。1979年に初代が登場した同車には、ドアサイドにウッド調のデカールが貼られたグレードが用意されていました。

また、当時のサーファーの憧れだったセドグロのバンにも、1979年に登場した5代目でウッディワゴンが設定されました。このモデルはフロントサスペンションにダブルウイッシュボーン式、リアにマルチリンク式を採用しており、まさに国産高級車の代表でした。

ホンダ シビック カントリー  (1980)

経済的に余裕のない若年層に人気だったのがホンダの「シビック カントリー」です。1980年から1983年まで、わずか4年間しか製造されなかったレアなモデルです。

ウッドパネルは基本的にオプションでしたが、発売と同時に1,500台のみ標準装備車が発売されています。コンパクトなお手頃サイズが人気でした。90年代にやって来るワゴンブームのきっかけになったのはレガシィの登場でしたが、この車が影響を与えていたとも言えます。

ワゴンブームの兆しが見えた1986年に登場したR31型スカイラインのワゴンもまた、非常に人気の高かったワゴンです。GTパサージュ ターボというグレードが設定されており、優れた動力性能とミスマッチなウッド調デカールがまた人気を呼びました。

最後は国産車ではありませんが、1986年から2001年まで生産されていた2代目ジープ チェロキーでも、ウッド調デカールが貼られた「ワゴニア リミテッド」が人気でした。ただしワゴニア リミテッドは限定車だったため、これを模してサイドデカールを自分で貼るオーナーも少なくありませんでした。

ジープ チェロキー ワゴニア リミテッド (1986)


昨今のSUVブームは、80年代、90年代に青春時代だった方と、そのジュニア層が支えていると言われています。現在の若年層のなかには、ステーションワゴンと育った方も多いことでしょう。そういう意味では、またワゴンブームが到来し、ウッドパネルが流行するかもしれませんね。

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