HKSは、宇宙をめざす

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「いつかウチの技術で大気圏を越えてみたい。そう宇宙に行きたいんです。そのためにもどんどんチェレンジして、革命を起こさないと。のほほんと過ごしているヒマはありませんよ」

text:伊丹孝裕 [aheadアーカイブス vol.124 2013年3月号]
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HKSは、宇宙をめざす

HKSは、宇宙をめざす

そう語るのは、静岡県富士宮市に拠点を置く自動車のパーツ&チューニングメーカー、HKS(エッチ・ケー・エス)の社長長谷川浩之さんだ。
 
ここ数年、同社はチューニング業界の活性化を目的としたサーキットイベントを成功させてきたが、創業40周年を迎える今年は「HKSプレミアムデイ・イン・富士スピードウェイ」と題した過去最大規模のイベントを開催。サーキットに集まった5000人以上のファンに、熱く未来への展望を語ってくれたのだ。
 
イベント当日、パドックには全国のショップやメーカーのブースが並べられた他、オーナーズミーティングや体験試乗会など、子供から大人まで楽しめるプログラムを至る所で用意。もちろん、コースでは多くのチューニングカーが速さと華やかさを競い、なにかと話題のトヨタ86やスバルBRZのレースでは、トップドライバー達が見応えのあるバトルを見せてくれた。
圧巻だったのは、HKSのドライバー谷口信輝選手がドライブした日産GTRのタイムアタックだ。HKSの技術の粋を集めたこの車両は、実に1000馬力以上を発生。スリックタイヤ装着とはいえ、公道走行可能な車両としては驚異的な1分39秒8というタイムと、333㎞/hという途方もない最高速をマークし、スタンドをどよめかせた。
 
このように、HKSは高いチューニング技術を主軸にして日本のモータリゼーションを支えてきたため、ともすればスポーツカーやレースに特化したマニアックなイメージがあるかもしれない。
 
ところが、冒頭の宇宙発言でも分かるように、そこにまったく垣根はなく、人が移動するすべての手段に、楽しみをもたらし、貢献しようとしているのだ。
この日、その一端がパドックや特別展示室で見られた。
 
例えば、天然ガスとガソリンで走るバイフューエルシステムは、燃費や環境性能、走行コストの面で既存のエンジンを大きく凌ぐ次世代ユニットだが、HKSではすでにこれを数千台規模で実用化。また、ウォータービークルや飛行機分野での活躍も目覚ましく、世界中でHKS製のエンジンやその関連パーツが愛用されている事実に驚かされた。
 
そして、2輪ファンにとってもワクワクするような情報があった。なんと、HKSが軽飛行機用に生産した水平対向2気筒エンジンをベースに、将来的にはバイクを開発する計画もあると言うから期待せずにはいられない。

〝感性に訴えるモノ作り〟とはHKSが掲げる企業理念だが、今後、そこに偽りがないことを、我々は様々な製品を通して知ることになるだろう。
▶︎コース上では、HKSデモカー同乗試乗会や「ハイパーチャレンジ」走行会のスペシャルステージを開催。さらに86とBRZのデモカー18台+プロドライバーによるデモ走行も行われた。一方、ピットビル2FではHKS製品を展示していた。

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text : 伊丹孝裕/Takahiro Itami
1971年生まれ。二輪専門誌『クラブマン』の編集長を務めた後にフリーランスのモーターサイクルジャーナリストへ転向。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク、鈴鹿八耐を始めとする国内外のレースに参戦してきた。国際A級ライダー。
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