岡崎五朗のクルマでいきたい VOL.47 人間研究と切り離せない次世代安全システム

フォード・フォーカス

NAエンジンを望む人へ 世界一の実力派ベストセラーカー

アヘッド フォード・フォーカス

フォード・フォーカスといえば、クルマ好きの間では一目置かれる存在。初代(98年〜)も2代目(05年〜)も、卓越したハンドリングは高い評価を得ていた。

とはいえ、ライバルであるフォルクスワーゲン・ゴルフと比べると、フォーカスの日本での知名度は絶望的に低い。クルマに限らず、世の中には「中身はいいのに売れない製品」がたくさんあるが、フォーカスはその代表格である。

そんなフォーカスが先頃フルモデルチェンジし3代目になった。豊かな面の張りや鋭いキャラクターラインといった最新トレンドを採り入れつつもプレーンに仕上げたデザインは、うーん、正直インパクトが弱いかも。

しかし、ドアを開け、シートに座り、ステアリングに指を絡ませた直後から、ただならぬ雰囲気を伝えてくるのがフォーカスの真骨頂だ。最小限の調整でドライビングポジションがピタリと決まる気持ちよさ。絶妙なシートのホールド感。スポーツカーでもないのに座った瞬間から走りへの期待が膨らむクルマなどなかなかお目にかかれない。

エンジンは2L直4の自然吸気。ダウンサイジングターボが主流のいまとなっては性能的にも燃費的にも目新しさはないが、トップエンドまで気持ちよく回るし、動力性能も十分。

それよりも何よりも、フォーカスの魅力は、いまやフォーカスの伝統芸とも言うべき優れたフットワークにある。正確無比なステアリングは自分の運転が上手くなったかのように感じさせてくれるし、高速直進安定性はお見事。僕がいいクルマの条件のトップに据えている「しなやかさとしっかり感の両立」にも高得点が付く。

日本ではマイナーな存在のフォーカスだが、世界に目を拡げると、年間100万台以上を売る世界一のベストセラーカー。そう、世界の人はかくも「中身」を重視して買っているのだ。新型フォーカスは、そんな現実を改めて実感させてくれるクルマだ。

高い走行性能を予感させるスポーティでダイナミックなエクステリアデザインを採用。ボディ鋼板には剛性の向上と軽量化が施され、より優れた乗員保護性能と燃費効率も達成している。直噴や吸排気独立可変バルブタイミング技術などにより、パワフルさと燃費性能を両立している。

車両本体価格:¥2,930,000
全長×全幅×全高(mm):4,370×1,810×1,480
車両重量:1,380kg 
乗車定員:5人
エンジン:直列4気筒DOHC 
総排気量:1,998cc
最高出力:125kW(170ps)/6,600rpm
最大トルク:202Nm(20.6kgm)/4,450rpm
駆動方式:前輪駆動

ボルボV40クロスカントリー

穏やかで力強い 心憎いSUVテイスト

アヘッド ボルボV40クロスカントリー

2月の発売以来、ボルボカージャパンの予想を遙かに上回る販売実績を残し、輸入車業界に一大旋風を巻き起こしているのがボルボV40だ。数々の先進的安全装備、センスよくまとめあげた内外装、269万円〜という価格設定など、よくよく眺めていけばいくほど、売れて当然だと感じる。

そんなV40に新たに加わったのがV40クロスカントリーだ。ボルボにはステーションワゴンの「V」と、セダンの「S」の他に、オフロードを意識した「XC」というラインがある。この文脈でいけばXC40となるのが自然な流れなのだが、ボルボはあえてV40クロスカントリーという耳慣れないネーミングを付けてきた。

FFのV40に対し、V40クロスカントリーは4WDで、外観にもSUVテイストを与えた。

一方、最低地上高はノーマル比わずか10㎜プラスの145㎜と、本格的にオフロードを走るにはいささか頼りないスペックになっている。そう、XCシリーズほどオフロード指向ではないが、ノーマルよりはオフロードっぽい…そんな微妙な線を突いてきたのがV40クロスカントリーなのである。

ノーマルが1.6L直4ターボを搭載するのに対し、クロスカントリーが積むのは2L直5ターボ。トランスミッションもDCTではなくトルコン式の6速ATだ。となれば当然、走り味も変わる。より穏やかで、より上質で、しかし踏めばより力強い。そんな贅沢さがクロスカントリーには備わっている。

足回りはというと、心持ちソフトかなと感じるものの、基本的にはスポーティーさが売り物のV40に近い味付け。基本はあくまでオンロードで、そこにSUVテイストをほんの少し加えてきたというコンセプトは走り味にも現れている。価格はレザーシートとナビが標準で付いて359万円とリーズナブル。V40人気にますます拍車がかかりそうだ。

専用バンパー&スキッドプレートやハニカムメッシュ・グリルなど、アウトドアテイストを散りばめたスマートなSUVデザインを採用。パワフルなターボエンジンや最新のAWDシステムによりオンロードでの高い走行安定性を実現。自動ブレーキシステム「シティ・セーフティ」を標準装備する。

車両本体価格:¥3,590,000
全長×全幅×全高(mm):4,370×1,800×1,470
車両重量:1,580kg 乗車定員:5人
エンジン:インタークーラー付ターボチャージャーDOHC水冷直列5気筒横置き・20バルブ
総排気量:1,983cc
最高出力:157kW(213ps)/6,000rpm
最大トルク:300Nm(30.6kgm)/2,700〜5,000rpm
JC08モード燃費:12.4km/ℓ 
駆動方式:4輪駆動

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text:岡崎五朗/Goro Okazaki
1966年生まれ。モータージャーナリスト。青山学院大学理工学部に在学中から執筆活動を開始し、数多くの雑誌やウェブサイトなどで活躍。テレビ神奈川の自動車情報番組『クルマでいこう!』に出演中。

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