メディア対抗ロードスター4時間耐久レース 出場! vol.1 先生を決める

アヘッド ディア対抗ロードスター4時間耐久レース

※この記事には広告が含まれます

今年も9月7日(土)に、24回目となるメディア対抗ロードスター4時間耐久レースが、筑波サーキットで開催される。aheadも3年ぶりに参加することを決めた。さて今年はどういうメンバーで、どんなテーマでレースに臨もうかと話し合ううち、気が付くと、私がドライバーとして初出場することになっていた。

text:若林葉子 photo:長谷川徹、仁平 肇  [aheadアーカイブス vol.128 2013年7月号]
Chapter
vol.1 先生を決める

vol.1 先生を決める

いやはや、うっかりである。社長と編集長にうまく乗せられてしまった。2009年から2012年まで続けて参加したモンゴルラリーも昨年で一区切り。今年の夏はのんびり過ごそうと思っていたのに、またしても、レースのその日を思って、緊張感で眠れぬ夜を過ごすのか。

とは言え、うっかりであっても、一度決まった以上は逃げられない。時間は約3ヵ月。さて、どうしよう。

こういうとき頼りになるのは編集長だ。「まずはTCRに行ってみよう」と声を掛けてくれた。TCRとは加藤彰彬さんが経営するロードスターの専門店。加藤さんはロードスターのパーティレースで22戦中21回優勝という経歴の持ち主。これ以上の先生はない。

この短い時間でどういう順番で何をすればいいかを相談した。

加藤さん曰く、「まず一度はジムカーナを走ってみてください」 とのこと。クルマが限界のときにどんな動きをするか。それを一度体験しておくと、もしサーキットで同様のことが起こったときにパニックにならずに冷静に対処できる。それが一番の理由。もちろん実際のコースを走っておきたいけれど、それはその後でいいという。

カートはどうですか? との質問には、「皆さん同じような質問をされますが、カートはちょっと違うんですよ」と意外な答えが返って来た。カートはすべての動きや反応がクイック。

でも箱のクルマは、例えばブレーキを踏んでからハンドルを切るまで、ギアチェンジしてからアクセルを開けるまでに「待ち」の時間が必要とされる。だからカートに慣れてしまうと、運転がやや乱暴になってしまう恐れがあるのだそうだ。

なるほど。

「あとは時間のあるときに、シミュレーターで練習しましょう」

それが右ページの写真。TCRが代理店を務める『アイレーシング』というソフトを導入したシミュレーターで、これの凄さは一言では説明しきれない。

世界中のサーキットで、100mを40分かけてトレースし、コースのみならずトイレや自動販売機の場所に至るまで正確に再現されている。路面の凸凹やミューの変化も反映されており、サーキットを水平移動しながら下見もできるし、オンラインで世界中の人たちとレースもできる。

私は、まずは準備としてハンドルやシフトノブ、クラッチなどもロードスターと寸分違わぬ位置で調整。その後、練習の第一歩として、広場での定常円旋回や八の字にトライした。シミュレーターで走行した後は、画面上に映像とデータで走行を再現し、自分の走りをチェックすることもできる。

このシミュレーターで練習し、実際のコースで、タイムを何秒も縮める人もいるというから驚きである。
TCR JAPAN
住所:東京都町田市鶴間562
TEL:042(706)8041
Email:info@tcrjapan.com
www.tcrjapan.com

ロードスターやアバルトを中心にファイン・チューンを手がける。またiRacing(アイレーシング)での走行や、実際のドライビングレッスンも行っている。初心者にも分かりやすく、丁寧に教えてくれるので、レースを始めてみたいという方にも安心してお勧めできるショップである。興味のある方はお問い合わせを。

ジムカーナ走行会に参加!

…というわけで、まずは加藤さんが講師を務めるジムカーナ走行会に参加して来た。
その名も「私をシゴキに連れてって」 

2日間の合宿。朝から夕方までみっちりと練習し、1日目の夜は、映像を見ながら反省会という文字通りのシゴキである。

どんなクルマでも練習になるというので、今回は愛車の『ポロ』で参加。A、B、Cの3つのチームに分かれて、午前中はそれぞれ別のコースを順ぐりに走る。午後はそれらを1つにつなげたコースを走って、タイムを計測する、という流れ。

ジムカーナは初めてなので、最初は加藤さんやほかの講師の方の隣に乗る。その後、自分で走行。分からなければ聞く。外から見ていて気付いた点があれば、随時、伝えてくれるし、私の運転するクルマに同乗して、走りをチェックしてくれたり、とてもフレンドリーかつ丁寧に教えてくれる。

なのでとても落ち着いて取り組めた。何よりホッしたのは「ライン取りがとてもきれい」と褒められたこと。コースはいくつものコーナーが重なって作られているので、1つのコーナーだけをきれいに曲がれても駄目。常に先を考えながら、目の前のコーナーをクリアして行くことが要求される。

自分でコースを歩いてみて、頭の中でラインを組み立てることが大事、ということがよく分かった。でも慣れてくると速度が上がって、かえってうまく走れなくなる。操作に遅れが出てしまうのだ。意識して早めにハンドルを切るなど、練習を繰り返した。

「今日はこれで良しです。基本は同じ。あとはこれをマニュアル車に置き換えていきましょう。大丈夫ですよ」  加藤さんの力強い言葉であった。
-------------------------------------
text:若林葉子/Yoko Wakabayashi
1971年大阪生まれ。Car&Motorcycle誌編集長。
OL、フリーランスライター・エディターを経て、2005年よりahead編集部に在籍。2017年1月より現職。2009年からモンゴルラリーに参戦、ナビとして4度、ドライバーとして2度出場し全て完走。2015年のダカールラリーではHINO TEAM SUGAWARA1号車のナビゲーターも務めた。
【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細