岡崎五朗のクルマでいきたい VOL.48 合弁会社「NMKV(日産三菱軽ヴィークル)」を選択したカルロス・ゴーンの思惑

VOL.48 合弁会社「NMKV(日産三菱軽ヴィークル)」を選択したカルロス・ゴーンの思惑

そうはいっても日産には軽自動車作りのノウハウがない。そこで目をつけたのが三菱だった。興味深いのは、両社が折半してNMKV(日産三菱軽ヴィークル)社を立ち上げ、共同で開発を進めていくという手法だ。

単純なOEMではなく、なぜ合弁会社を立ち上げる必要があったのだろう? 理由を聞いて納得した。日産にとってのメリットは、開発の初期段階から参加することで自社の要望を商品に色濃く反映できること。

三菱にしても、大メーカーである日産の購買部門を利用することで部品を安く調達できるのだという。たしかにOEMではそこまで綿密な協力はできない。企業の垣根を越えた共同開発としてはトヨタとスバルが86/BRZですでに具現化しているが、それをさらに一歩推し進め、さらなるシナジー効果を狙ったのがNMKVというわけだ。

開発現場の声も概ね歓迎ムードだ。三菱から出向しているエンジニアによると、日産の購買ルートを使うことで、部品調達コストは驚くほど下がったという。そこで浮いたコストを見栄え品質向上に使うことで、三菱eKワゴンと日産デイズは、日産マーチや三菱ミラージュといった両社のリッターカーとは比べものにならないほどの質感を手に入れることに成功した。

また、そっと耳打ちしてくれた意外なメリットとして、社員数わずか40名という小さな組織なので社内の風通しがよく、意思決定も速いという。

ここから先は僕の勝手な想像だが「社内にいる頭の固い人たちからの雑音」という大企業にありがちな問題に惑わされることなく、シンプルかつスピーディーに物作りに専念できることもNMKVの強みではないだろうか。今後登場する日産と三菱の軽自動車が楽しみになってきた。

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