岡崎五朗のクルマでいきたい VOL.49 「DUTSAN」は、復活したのか?

VOL.49 「DUTSAN」は、 復活したのか?

アヘッド 岡崎五朗のクルマでいきたい

ところが、日産が描いている戦略はかつてのダットサンとはまったく別物。今後も急成長が期待できる新興国向けの廉価ブランドとして「DATSUN」を復活させたというのが真相だ。

「新興国マーケットで戦うには日産ブランドではできないような思い切ったクルマ作りをできる新しいブランドが必要だった」とはゴーンCEOのコメント。簡単に言えば、日産のバッジを付けたら恥ずかしいようなクルマにDATSUNバッジを付けて売るということだ。
 
それは果たしてどんなクルマなのか?2014年からインドで発売されるのが新生DATSUNの1号車である「GO」だ。写真等はwebでご覧頂きたいのだが、マーチクラスのボディに立派なグリルを付けたモデルで、たとえばワイパーが1本しかないなど、あらゆる部分にコストダウンの苦労がうかがえる。
 
新興国マーケットでプレゼンスを発揮していくには低価格モデルの開発が欠かせない。しかし日産ブランドを守ることも重要だ。だから新しいブランドを立ち上げた。ここまでは理解できる。

しかし、だからといって、どうしわざわざDATSUNを持ち出してきたのだろう? フェアレディZは例外で、DATSUNは本来安くて親しみのあるモデルを作ってきた。そんな経緯を知った外国人経営者が「だとしたらピッタリじゃないか!」と膝を打ったのだろう。けれどわれわれ日本人にとって、いやZカーを大歓迎したアメリカ人にとっても今回のブランド復活劇はしっくりこないはず。

新興国向けには別の新しいブランドをつくり、DATSUNはむしろ「日産ではできないような若々しく個性的なブランド」として再定義した方がよかったのではないか?たとえば現行モデルでいえば、ジュークのような個性派モデルをシリーズ化してDATSUNバッジを付けた方が多様化するユーザー層へのアピール度は高まると思うのだ。そういう意味で、今回の安易なブランド復活には大いに疑問が残る。

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