手に入る「ミライ」

手に入る「ミライ」

アヘッド FCV

その走る姿は電気自動車(EV)に似ているが、水素という新しいエネルギーを使うのでその安全性やインフラ整備ではEVとは大きく異る。そのために産官学が一体となって取り組んできた領域だ。その意味ではFCVはチームジャパンがうまく機能した例であり、海外よりも先んじて量産化を果たすことができた。

ミライは700気圧の高圧水素を床下に配置された二つのタンクに搭載されるが、重量では約4.6㎏の水素を持つ。そのエネルギー密度はリチウムイオンのバッテリーの比ではなく、ガソリンの2倍以上のエネルギーを持っている。しかし常温では気体ガスなので、その使い方には慣れが必要だろう。

実際にミライのステアリングを握ることができたが、水素を送り出すポンプの音が微かに聞こえる程度で走りっぷりはパワフルなEVという感じだ。水素から電気を作るのはスタックと呼ばれる固体高分子型の燃料電池だが、床下の低い位置に搭載されているので、FF車としては異例のフロント荷重が59%と軽い。つまり、高級なスポーツセダンの走りっぷりなのである。ハンドリングもスポーティでサーキットでも愉しそうだ。

加速は静かでトルクフル。テールパイプからは水蒸気しかでないから、環境にやさしい。しかしEVと違って600㎞以上も遠くまで走れて、700気圧の水素を満タンに充填するのもわずか3分程度で済むらしい。

問題は水素インフラだが、当面は東京と九州の間に約100ヶ所設置される計画だ。車両価格は消費税抜きで670万円、政府の補助金が約200万円使えるので、実際は500万円くらいで買える。

もう一つ気になるのは水素の価格だが、水素エネルギーの専門メーカーである岩谷産業は水素1㎏当たり1200円前後になると発表している。水素は1㎏で約100㎞以上走れるので、移動コストはプリウスと同じくらいではないだろうか。

プリウスが生まれて100万台売れるまでに約17年かかったことを考えると、今FCVを市販しないと未来には間に合わなくなってしまう。エネルギーの多様化、再生可能なエネルギーにシフトするなら水素は絶対に必要なエネルギーではないだろうか。

EVかFCVかという議論ではなく、異なる役割として共存する時代だと思う。水素は電気キャリアだという認識が必要だろう。

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