ヨーロッパカスタムカルチャーのトレンド YAMAHA XJR1300C

ヨーロッパカスタムカルチャーのトレンド YAMAHA XJR1300C

アヘッド YAMAHA XJR1300C

彼らは『ヤード・ビルド』というプロジェクトを展開していて、「XJR1300」、「SR」、「XV950(日本ではBOLT)」、そして「V-MAX」が属する「スポーツ・ヘリテイジ」と呼ばれるカデゴリーのマシンをカスタムビルダーに提供し、そこで誕生したカスタムマシンをカスタムショーやモーターサイクルショーに出展させている。

カスタムビルダーの視点や情熱によって自分たちの製品がどのような化学変化を起こすのかを実験しているように見えるし、ヨーロッパの消費行動に不可欠なオーダーメイドやカスタムメイドの世界をモーターサイクルに持ち込み、製品の価値を高めているようにも思える。

日本でも最近、BMWが日本のカスタムビルダーと共に、「RnineT」や「K1600GTL」のカスタムマシンを創り上げるプロジェクトが話題になったが、それよりも以前から「ヤマハヨーロッパ」は『ヤード・ビルド』をスタートさせていたのだ。

それはカスタムバイクシーンの持つ潜在的なポテンシャルを早くから信じていたといえるだろう。

今回紹介する、昨年のEICMA(ミラノショー)で発表された「XJR1300C」は、そんなカスタムシーンに刺激を受けたニューモデルだ。

ヤマハヨーロッパの公式チャンネルには、XJRのプロモーションビデオがアップされ、イタリア・ミラノにあるカスタムファクトリーや「デウス・エクス・マキナ」(著名なカスタムビルダー)がカスタムしたXJR1300も登場している(写真下)。

また、ヨーロッパでは「XJR1300Racer」というミニカウル付きモデルもある。

その中で「ヤマハヨーロッパ」のプロダクトマネージャーが『ヤード・ビルドでコラボしたカスタムビルダーやカスタムマシンに多大な影響を受けた』と公式の場で語っているのには驚かされた。

レースシーンに影響を受けたモデルをリリースしても、カスタムシーンとのリレーションシップを声高に謳った製品は近年では珍しいからだ。

過去には日本でも、ストリートシーンをメーカーが陰で支えながら、それをプロモーションとして利用していたこともあった。しかしコンプライアンスの遵守や様々な規制の強化などによって、現代の国内メーカーはプロモーションの手法に慎重になっている。

そんな中「ヤマハヨーロッパ」は、ある程度の冒険をしてでもカスタムシーンを利用して、その背後にあるもっと大きな新しいマーケットを取り込もうとしているのではないだろうか。

今までプロダクトのコアになっていた「高性能」というキーワードだけでは、ユーザーの気持ちや憧れを引き留めることができなくなってしまっているのだ。他にも高齢化によるバイク人口の減少など、未来への危機感を覚えているからこそ、守ることより攻めることに打って出ているのかもしれない。

そう考えると、「XJR1300C」とは異なるカデゴリーながら、同じ匂いのするニューモデルが、ここ最近、他のメーカーからもいくつかリリースされていることに気が付くはず。

それは、マーケットの勢力図が新興国を中心に書き換えられているとは言え、欧州は依然として重要なマーケットであることを物語っているとも言えるのだ。

アヘッド YAMAHA XJR1300C

●YAMAHA XJR1300C
参考小売価格:1,350,000円(税込)
総排気量:1,251cc  
最高出力:71.9kW (97.8PS) /8,000rpm
最大トルク:108.4N・m (11.1kgf.m) /6,000rpm 
www.presto-corp.jp

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