いつかのチャンスのために 〜DUCATI ムルティストラーダ1200S

アヘッド DUCATI Multistrada 1200 S

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今回ドゥカティの新しい「ムルティストラーダ1200S」を北海道で試乗するチャンスを得た。道東、周辺の約160㎞に及ぶ北海道らしい試乗コースの中には、「ムルティストラーダ1200S」の走破性を試すべく林道が含まれている。

text:神谷朋公 [aheadアーカイブス vol.154 2015年9月号]
Chapter
いつかのチャンスのために 〜DUCATI ムルティストラーダ1200S

いつかのチャンスのために 〜DUCATI ムルティストラーダ1200S

●DUCATI Multistrada 1200 S
車両本体価格:¥2,499,000~(税込) 
排気量:1198.4cc
最高出力:112kW(150hp)/9,500rpm[日本仕様] 
最大トルク:128Nm(13.1kgm)/7,500rpm[日本仕様]

久しぶりにバイクで走る北海道だ。最後に行った北海道ツーリングは2004年夏の道東巡りだったので、実に11年振りである。今までオンロードバイクしか乗ってこなかったので、北海道に行ってもダートに足を踏み入れたことはなかった。

編集長曰く、「北海道ツーリングは林道を経験するとさらに楽しさが増す」という。

オフロードを経験した人からすればタイヤが滑っても対処できるかもしれないが、車歴がオンロードバイクオンリーの僕からすると、リアタイヤが〝滑る〟感覚はかなりの恐怖だ。

雨の日の白線やマンホールなど、少しでもタイヤが滑った感覚を察知すると、たちまち身体に力が入ってしまう。特に今回は試乗車なので転倒は絶対に避けなければならない。林道を走ること自体もほぼ初体験の林道初心者の僕には、少し不安のまま当日を迎えることになった。

しかし林道に入るとそれまでの不安は解消された。スロットルを開けてリアタイヤが滑りだしても、出力特性を抑えてそれ以上滑らないようにしてくれる「トラクションコントロール」や、ブレーキを掛け過ぎてしまってもタイヤがロックしない「ABS」など、電子制御のおかげで転倒につながるようなことはなかったのだ。

特別なスキルがなくても、電子制御の技術が複合的に作用することで、林道初心者の僕が転倒せず無事に走りきれたのだ。短い時間だったが、結果的にはライディングを楽しんでいたし、編集長が言っていた〝さらに楽しい北海道〟を味わうことができた。

トラクションコントロールABSといった制御は、オンロードでは当たり前の技術になりつつあるが、本当はオフロードで威力を発揮する電子制御なのだなと思った。

出力特性を変えられるライディングモードを「アーバン」、「エンデューロ」にすると100馬力に抑えられ、様々なデバイスの恩恵でツーリング先での悪路も乗り越えていける。また「スポーツ」、「ツーリング」に切り替えると150馬力のフルパワーとなりスポーティーで高速ツアラーとしても心強い。

オフロードも走れそうなスポーツツアラーは多くあるが、本当にオフロードに踏み込めるバイクは少ないと聞く。

いつか北海道ロングツーリングにいけるチャンスが訪れたとき、本州を駆け上がり、道東、道北へといっきに、そしてどんな道でも諦めずに走破できる。それが「ムルティストラーダ1200S」なのだ。また本気で北海道ツーリングに行きたくさせてくれた、そんな1台であった。

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