ひこうき雲を追いかけて vol.45 インチダウン

アヘッド 夕暮れ

※この記事には広告が含まれます

昨年の11月にユーザー車検でDS3の継続検査を通した。その際、ディーラーでブレーキパットとフルードを交換し、ついでにクルマ全体のチェックもしてもらった。特に不具合もなかったが、「タイヤはよくてあと半年ですね」とのことだった。

text/photo:若林葉子 [aheadアーカイブス vol.160 2016年3月号]
Chapter
vol.45 インチダウン

vol.45 インチダウン

実は、これから先タイヤをどうするか、というのは懸案事項だったので、これを機にじっくり検討することにした。

何が懸案かというと、轍などで大きくハンドルを取られてしまうことだ。路面状況によっては、「何が起こったの?」とびっくりしてしまうくらい。このサイズのクルマに17インチというホイールサイズはオーバースペックなのかも知れない。同じDS3でも、AT仕様(限定車を除く)は16インチを履いている。

もちろんホイールサイズが大きくなればタイヤ全体での剛性があがり、グリップ力が向上し、何よりデザイン性はぐっと良くなる。そこにこのクルマの主張が込められているとも言えるだろう。

第一、私がこのクルマに惚れた理由の半分くらいは白いホイールにあると言ってもいいくらいなのだから、今更何をか言わん、ではある。

でも、タイヤを替えるなら、長く乗るつもりでいるのだし、この際、試しにインチダウンしてみたらどうか。そう思ってしまったのである。

ディーラーを出て、その足でタイヤとホイールの専門店へ向かった。いろいろ話を聞いて、インチダウンによるデメリットはそんなにはない、と判断。

最後まで悩んだのはホイールの色だ。クルマの屋根は白、ミラーも白。できればホイールも白のままいきたい。でも白にこだわると選択肢が狭まる。純正ホイールにも白はあるが、価格と重さがネック。

考えに考えて、結局、白にこだわるのはやめて、イタリアのアルミホイールメーカーOZのアドレナリーナという製品に決めた。タイヤはお店の人が勧めてくれたミシュランに。水色のボディに白いミラー、足元は黒。

履き替えてみると、明らかにハンドルを取られることは少なくなった。以前は聞こえていた「ゴーッ」という音もしなくなり、静かになった。高速道路の継ぎ目もシュッ、シュッといなしてくれるようになった。

見た目も走りも、全体としてみると、なんというか、より普通っぽくなった。そう、すごく普通な感じなのだ。どちらがいいとは言えないが、生活の相棒として毎日を共にするなら、ありだと思う。何より、それこそがフランス車っぽいではないか。

〝白〟ということで言うと、アルミの白いシフトノブも変えることにしている。冬、冷え切ったクルマのシフトノブは、心臓が止まるかと思うくらい冷たい。洋服の袖を掌までひっぱってみたり、手袋をしてみたり、騙し騙しやってきたが、友人が革製の黒いシフトノブを見つけてくれた。

少しずつ自分仕様になっていくクルマの変化を楽しんでいる。

---------------------------------------------------
text:若林葉子/Yoko Wakabayashi
1971年大阪生まれ。Car&Motorcycle誌編集長。
OL、フリーランスライター・エディターを経て、2005年よりahead編集部に在籍。2017年1月より現職。2009年からモンゴルラリーに参戦、ナビとして4度、ドライバーとして2度出場し全て完走。2015年のダカールラリーではHINO TEAM SUGAWARA1号車のナビゲーターも務めた。
【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細