インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー

インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー

アヘッド シトロエンDS3

photo:長谷川徹

僕も5年ほど前から選考委員をやらせてもらっているのだが、いざ採点を始めると数え切れないほど多くのエンジンがあることを思い知らされる。

その数たるやリストを眺めてしばし呆然とするほど。メルセデスと日産のように、一部ではメーカー間を跨いだエンジン共用の動きもあるけれど、やはり心臓部であるエンジンは自前でいきたいというのが各メーカーの本音。

ダウンサイジングターボやクリーンディーゼル、ハイブリッド、プラグインハイブリッドなど、年々厳しくなる燃費規制と排ガス規制に対する各メーカーの様々な挑戦が、多種多様なパワートレーンを次々と生みだしている。

そうそう、エンジンオブザイヤーと名乗っているが、選考対象にはEVも含まれ、テスラは2年連続でグリーンエンジン賞を獲得している。来年あたりはトヨタ・ミライも表彰されるかもしれない。

いずれにしても、100年を超える自動車の歴史において、パワートレーンがこれほどダイナミックに変化する時代はなかった。やれデザインの時代だ、ブランドイメージだと言ったところで、それらは所詮枝葉。

もちろん、商品力という点では枝葉の部分も重要だが、自動車技術の幹となるのはやはりパワートレーンなのだということを、僕はこの賞の選考過程で再認識したし、多くのユーザーにも知って欲しいと思う。

アヘッド フォード

photo:渕本智信

▶︎フォードの999cc3気筒ターボエンジンは総合部門で’12〜’14年まで3年連続1位。シトロエンDS3のほかプジョー208などが積む1.2ℓ3気筒ターボエンジンは2015年度、総合3位、1.2〜1.4ℓ部門で1位を獲得。高級車だけがいいエンジンを積んでいるわけではない。私たちにとって身近なクルマでもエンジンの味わいを楽しむことができる。


エンジンオブザイヤーは総合部門に加え、排気量、環境エンジン、高性能エンジン、新エンジンといった8つのカテゴリーに分かれている。2012年〜'14年まで3年連続で総合部門1位を獲得しているのがフォードの999㏄3気筒ターボだ。

本国ではフォーカスにも搭載されているこのエンジン、日本ではフィエスタでしか賞味できないが、乗ってみると目から鱗が落ちる。たった1ℓの3気筒ながら滑らかで静かで、なおかつパワーもしっかりでていて、燃費も上々。なにより、運転していて楽しいな、気持ちいいなと思わせてくれるのがいい。

2015年はBMW i8のプラグインハイブリッドにトップを譲ったものの依然として総合2位を確保。続く3位にはプジョー308などが積む1.2ℓ3気筒ターボがランクインした。

この上位3機に共通しているのは、環境性能を追求しながらも〝FUN〟を忘れていないこと。燃費や馬力だけで判断されがちだが、エンジンはクルマの楽しさの決め手となる要素。数字だけで選んでしまうのはもったいない。

アクセルを踏む右足に対する反応、音、息づかい、鼓動、加速感…それらを味わうように乗れば、いままで気付かなかったクルマの楽しさを再発見できるに違いない。

アヘッド インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー

▶︎インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーは1999年から始まり2015年で17回目を迎えた。総合部門のほか、1ℓ以下/1〜1.4ℓ/1.4〜1.8ℓ/1.8〜2ℓ/2〜2.5ℓ/2.5〜3ℓ/3〜4ℓ/4ℓ〜/グリーンエンジン/ニューエンジン/パフォーマンスエンジンの11のカテゴリに分けられている。
www.ukipme.com/engineoftheyear

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text:岡崎五朗/Goro Okazaki
1966年生まれ。モータージャーナリスト。青山学院大学理工学部に在学中から執筆活動を開始し、数多くの雑誌やウェブサイトなどで活躍。テレビ神奈川の自動車情報番組『クルマでいこう!』に出演中。

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