スバリストを唸らせたオイル 〜『レ・プレイアード・ゼロ』

スバリストを唸らせたオイル 〜『レ・プレイアード・ゼロ』

アヘッド レ・プレイアード・ゼロ

当たり前のように高い出力を絞り出し、なおかつ高い耐久性を誇るが、その影にはエンジンオイルの働きが隠れている。過酷な条件下でも金属部品同士が接触しないよう、油膜をきちんと保持する必要があるし、部品から熱を奪って磨耗の進行を食い止める必要もある。

そう考えたときにやっかいなのは、水平対向のレイアウトだ。シリンダーが垂直に並んだ直列エンジンなら、オイルが均等に行き渡るであろうことは容易に想像がつく。ところが水平対向エンジンの場合はそうはいかない。

ピストンは水平(前から見て左右方向)に動くので、自然任せでは油膜の保持は均等にはならない。オイルの性能にも厳しい条件が突きつけられることになる。

ターボエンジンにとって過酷な高回転高負荷を多用するような領域では、一般的に高粘度のオイルが向いているとされてきた。高い温度にさらされてもある程度の粘度を保ち、油膜を保持してくれるからだ。

しかし一方で、冷間始動時や街なかでの低負荷走行ではその硬さがあだとなり、燃費面でネガティブな方向に作用しやすい。過酷な走行でエンジンを保護するためだから、と割り切っていたのが従来の常識だった。

その常識を打ち破ったのが、トタルが開発したレ・プレイアード・ゼロだ。高粘度か低粘度かで分類すれば、極端に低粘度な部類に入る。

0W30という粘度表示だけで判断すれば、「燃費だけを重視したサラサラのオイルでしょ」と判断されかねない。

ところが、違うのだ。低温で抵抗が少ないだけでなく、高温までその性能を維持。なおかつ、高温時には高粘度オイルと同等の厚い油膜を保持し、高いエンジン保護性能を発揮する。

つまり、高負荷でのエンジン保護性能をしっかりキープしながら、省燃費性能を両立させたのがレ・プレイアード・ゼロの特徴だ。

もともとは、欧州を基点に世界的な広がりを見せている過給ダウンサイジングエンジンの普及と歩調を合わせるように開発したオイルだそうだが、当然「そのまま」ではない。

225時間連続運転をはじめとする厳しい耐久試験をクリアし、スバルのお墨付きを得ているのだ。スバルのターボエンジンに新しい価値を提供するオイルと言っていい。

レ・プレイアード・ゼロがありがたいのは、スバルの販売店で購入できることだ。新車購入時に契約するメンテナンスパックなら、メニューにオイル交換が含まれている。

通常は純正オイルが割り当てられるが、追加料金を支払えば、レ・プレイアード・ゼロを指定することが可能。高性能なオイルは高い、という旧来の常識を打ち破っているのも、新時代のオイルにふさわしい。

もちろん、オイル交換単独でのオーダーも可能。エンジン保護性能と省燃費を両立したトタルの画期的なオイルが、スバルの販売店で気軽にオーダーできるのはニュースだ。

アヘッド LES PLEIADES ZERO(レ・プレイアード ゼロ)

●LES PLEIADES ZERO(レ・プレイアード ゼロ)
ベースオイル :100%化学合成油(PAO)
SAE粘度: 0W-30 ACEA:A3/B3, A5/B5
www.pleiades-zero.com

トタルはフランスのパリに本拠地を置く民間の総合石油企業で、石油の採掘、生産、輸送、精製、販売までの全てを行なう「スーパーメジャー」と呼ばれる6社のうちの1社である。

スバル以外にもプジョーやシトロエンの純正指定を受けるなどカーメーカーからの信頼も厚い。

また様々なカテゴリーのレースを積極的にテクニカルサポートし、F1レッドブルレーシングをはじめ、WRCではシトロエン、SUPER GTでは実際に市販と同じオイル(0W30)を使用し、鈴鹿1000kmという長丁場のレースをノントラブルで戦い抜き、さらに燃費も向上したという。

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text:世良耕太/Kota Sera
F1ジャーナリスト/ライター&エディター。出版社勤務後、独立。F1やWEC(世界耐久選手権)を中心としたモータースポーツ、および量産車の技術面を中心に取材・編集・執筆活動を行う。近編著に『F1機械工学大全』『モータースポーツのテクノロジー2016-2017』(ともに三栄書房)、『図解自動車エンジンの技術』(ナツメ社)など。http://serakota.blog.so-net.ne.jp/

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