ひこうき雲を追いかけて vol.42 クルマとの相性

アヘッド 景色

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2008年10月から約3年半に渡った連載をいったんお休みし、それから約3年半経った今、また再開しようとしている。再開するにあたって過去の原稿をすべて読み返してみた。気づいたことはいくつかあったが、驚いたのはその間に3台のクルマを乗り継いだということ。

text:ahead編集長・若林葉子 photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.158 2016年1月号]
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vol.42 クルマとの相性

vol.42 クルマとの相性

aheadで仕事を始めると同時にえいやっ!と購入したのがルノー・ルーテシア1.2クイックシフト。四苦八苦しながらも5年乗って、買い換えたのはスズキ・スイフトスポーツだ。

マニュアルに乗れるようにならなくちゃと焦っていたのが悪かったのか、わずか10ヵ月で手放した。入れ替わりにやってきたのはフォルクスワーゲン・ポロ 1.2TSI。

そして今。シトロエン・DS3 スポーツシックに乗っている。

スイフトスポーツでマニュアル車に挫折した傷心の私をポロは癒してくれた。何ということもないのに端正で品のあるデザインと、過不足のない正確な走り。いったん気持ちをリセットするには良い選択だったと今でも思う。が、最初の車検を前に、しかしやっぱり前に進まなくてはと買い換えを決意したのだった。

有力候補はアルファロメオ・147 GTA 3.2ℓ V6のセレ・スピード。見つけた中古車はヌヴォラホワイトという艶やかなヴェールがかった白で、ため息が出るような美しさだった。

ただ、 3.2ℓという排気量の大きさにびびり、しり込みして、決めきれないでいたところに、シトロエンの認定中古車サイトで見つけたのがDS3だったのだ。

ボッティチェリブルーのボディに、ルーフとミラーとホイールが白。なんとなく惹かれて、夜中だったがすぐ見に行った。2度目は日中に訪ねて行って試乗もした。6速マニュアル。今度は大丈夫だろうかと最後まで心配したが、先日、無事に2年目の車検を通した。

本当に乗りやすいマニュアル車で、2速でも3速でも、あるいは4速でもお好きにどうぞ、みたいな大らかなところがあって、おかげで私のマニュアル嫌いはすっかり過去のものとなった。

1.6ℓ(ターボ)でトルクもあるため、渋滞などでエンストしにくいのも大いに助かっている。何よりこのまま離陸しちゃうんじゃないかというくらいのがっつんターボは笑っちゃうほど面白い。

そんなわけで、なぜか毎回つなぐたび、勝手に選曲してしまうアイフォーンとの相性の悪さとか、ドリンクホルダーがひとつもないことや、室内灯の位置が悪く少しも明るく照らしてくれないことや、白いホイールがすぐに真っ黒になってしまうことにもめげずに、コクン、コクンとシフトノブを動かしながら、毎日、鼻歌まじりにこのクルマに乗っている。

これまではいろんなクルマに乗ってキャリアを積まなければという気持ちが強かったのだけれど、このクルマとは少し長い付き合いができればいいなと思っている。

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text:若林葉子/Yoko Wakabayashi
1971年大阪生まれ。Car&Motorcycle誌編集長。
OL、フリーランスライター・エディターを経て、2005年よりahead編集部に在籍。2017年1月より現職。2009年からモンゴルラリーに参戦、ナビとして4度、ドライバーとして2度出場し全て完走。2015年のダカールラリーではHINO TEAM SUGAWARA1号車のナビゲーターも務めた。
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