TRIUMPH STREET TWIN(トライアンフ ストリートツイン)

アヘッド トライアンフ ストリートツイン

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今回のストリートツインは1月のプレス発表会で見たときから気になる1台だった。実際に試乗してみると、900ccのバイクとは思えないほど軽快な動きが印象に残った。乾燥重量は198kgとなっているが、取り回しも楽で数字よりも軽く感じられる。見た目はクラシックだが、現代のバイクらしく、トラクションコントロールの装備や、フライバイワイヤのスロットルなど、トラディショナルな装いの中にも最新電子デバイスが搭載されている。

text:神谷朋公 photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.162 2016年5月号]
Chapter
TRIUMPH STREET TWIN(トライアンフ ストリートツイン)

TRIUMPH STREET TWIN(トライアンフ ストリートツイン)

■SPEC & DATE
車両本体価格: ¥ 999,500〜(税込)
排気量:900cc
最高出力:40.5kW(55ps)/5,900rpm
最大トルク:80Nm(7.8kgm)/3,230rpm

今回のフルモデルチェンジによってエンジンが水冷化された。なるべく目立たないようフレームの間にラジエーターを縦にレイアウト。ラジエーターホースの取り回しも外観のイメージを崩さない配慮がされている。ボンネビルらしさにこだわり、細かいところにまで気を配りながら設計したのが良く分かる。
シンプルな単眼のスピードメーターは、LCDマルチファンクションディスプレイと呼ばれる多機能メーターを内蔵している。燃料計や燃費計の他、ギアポジションインジケーターも表示できる。中でも「残走行距離表示」は便利で、今回一番多く利用した機能だった。
シンプルでコンパクトな丸型のヘッドライトは、マルチリフレクターを採用。バルブの先端に設けられた光線を反射する部分には「TRIUMPH」のエンブレムを装備している。こういう細かいパーツを見つけると作り手のバイクに対する想いや遊び心が感じられる。
2 in 2のマフラーは、ステンレス製でフィニッシュのクオリティも高い。音量はやや大きめでビッグツインらしい鼓動に満ちた歯切れの良い音を奏でていた。低めに構えた左右2本出しのマフラーは、ボンネビルシリーズの伝統的なデザインと言える部分だ。
エンジンは、水冷になっただけでなく、新設計の270度クランクを採用している。並列2気筒の場合、270度クランクにすることで理論上90度Vツインと同じ点火間隔となる。結果、高回転域でも鼓動感が途切れず、トラクション性能も高くなっている。
スーパースポーツと同じようなホイールを採用しているにも関わらず、全体的なデザインに違和感がない。ボンネビルシリーズのスタイルがいかに優れているかを証明しているように思う。シングルディスクブレーキだが効きは充分だった。ABSも装備している。
シートに向かって絞られた形状のタンクと、先端が細められたシートのお蔭でストリートツインの足つき性は抜群に良い。ハンドル、シート、ステップの位置関係も絶妙で身体がピタッとハマる。ライダーとバイクが一体になることを重視して開発された事が分かる。

トライアンフ ボンネビルとは

トライアンフ ボンネビルは、1959年に登場して以来、並列2気筒エンジン、2本出しマフラー、ツインリアサスペンションなど、アイデンティティーとなる部分は変更していない。昨年発表されたフルモデルチェンジによって水冷化され、ラジエーターを装備することになったが、その伝統は守られている。今回取り上げた「ストリートツイン」は、水冷ボンネビルシリーズの中では、排気量も小さく、一番シンプルで安価なモデルだが、豊富なアフターパーツが用意されている。

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