スタートに立った125cc免許問題

スタートに立った125cc免許問題

アヘッド 駐輪禁止

この発言に対して、ネットでは賛否両論を見ることができた。どちらにも理があり、分があった。もちろん簡単に結論を出せる問題ではないし、ユーザーの意見がどれだけ行政に反映されるかはわからない。

だが、既存のバイクユーザーが二輪の免許制度にかかわる行政の計画と目的を知り、その具体策に対して意見を述べる機会が生まれたことは、日本のバイク文化の熟成にとって大きな進歩といえる。

しかしながら、現実問題として考えると、普通免許で125㏄を運転できるようにしても一時的な措置にしかならず、将来のパーソナルモビリティの在り方を示す施策としては物足りない。原付に課せられた時速30キロ規制と二段階右折は、かえって運転を複雑にしているため危険な場面も多い。

電動アシスト自転車は、もはや原付の代替として機能している。自転車をあらためて車道走行としたことで、とくに都市部の交通事情は変化した。

また、セグウェイのような乗り物が公道を走れないことは、日本の交通事情を前時代にとどめている。さらに、駐車問題が解決しない現状で125㏄ユーザーが増えても、違法駐車の検挙件数が増えるだけだ。

つまり、現在の道交法で規定されている軽車両だけでなく、新たに登場した車両を含めて、個人が簡単に利用できる移動手段について見直し、法整備する必要がある。海外諸国の道交法はもちろん、国内における車両運送法との調整も不可欠だ。

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今回の発言の背景には、全国オートバイ協同組合連合会(AJ)が、二輪を取り巻く諸問題を解決するべく行政に訴えを続けてきた経緯がある。125㏄免許取得緩和はそのひとつで、他にも高速道路のバイク料金設定や渋滞時の路肩走行許可、駐車問題の解決などを求めてロビー活動を続けてきた。

これらの提案は経産省、国交省、警察庁などにまたがるため、縦割り行政の障壁が立ちはだかるうえ、各省庁の担当官は2年毎に異動となってしまう。それだけに、警察庁の領分に踏み込んだ経産省担当官の発言は、諸問題解決に向けた大きな前進といえる。こうして社会に認知されたことで、初めてスタートに立ったのだ。

道のりはまだ遠く果てしないが、私たちバイク愛好者が諸問題を認識し、考え、行動することで近道は見つかるはずだ。

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text : 山下 剛/Takeshi Yamashita
1970年生まれ。東京都出身。新聞社写真部アルバイト、編集プロダクションを経てネコ・パブリッシングに入社。BMW BIKES、クラブマン編集部などで経験を積む。2011年マン島TT取材のために会社を辞め、現在はフリーランスライター&カメラマン。

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