プロとアマが同じマシンで走るレース「インタープロトシリーズ」

アヘッド インタープロトシリーズ

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何かに長け、それを磨くようになると、人はたいてい〝その先〟を求めるようになる。より高い次元で自分の力を試してみたくなるのは自然なことだろう。モータースポーツの場合も然り。運転が好きで、もっとうまく、もっと速く走れるようになりたい、とそう思ったら、まずは走行会イベントに参加したり、サーキットのスポーツ走行枠で練習したりする。ちょっと上達してきたと感じたら、その先に見えてくるのはレースへの参戦だ。

text:若林葉子 photo:INTER PROTO SERIES [aheadアーカイブス vol.170 2017年1月号]
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プロとアマが同じマシンで走るレース「インタープロトシリーズ」

プロとアマが同じマシンで走るレース「インタープロトシリーズ」

一口に四輪のレースと言っても、種類も数も多種多様だが、プロのレーシングドライバーと組んで、直接指導を受けながらスキルアップができる、そんなクルマ好きには夢のようなレースがある。2013年から始まったインタープロトシリーズがそれだ。

ジェントルマンドライバーと呼ばれるアマチュアとプロドライバーがチームを組み、1台のマシンを共有して、ジェントルマンはジェントルマンだけで、プロはプロだけでそれぞれレースを闘うというユニークな仕組みが採用されている。

4ℓV6エンジンをミッドシップに搭載したワンメイクのマシン「kuruma」はこのレース専用に開発されたもの。電子制御デバイスは基本的に排除されており、マシンの性能差を限りなく少なくすることで、純粋にドライバーのテクニックで競うレースを目指している。

個人で一からレースに参戦しようとすると、まずマシンをどうするか、メカをどうするかというところから始めなければならず、それに関わる費用も青天井だ。インタープロトはその敷居を一気に下げた。事務局に相談すれば、それらを丸ごと手配してくれる。
マシンをシェアするプロドライバーもみな一流だ。2016年のエントリーリストにはロニー・クインタレッリ、平手晃平、松田次生、石浦宏明らが名前を連ねている。

これらのドライバーと組むことによって、ジェントルマンドライバーはセッティングからドライビングまであらゆる面でプロドライバーからアドバイスを受けることができる。

実際、あるジェントルマンドライバーは「プロと同じマシンを必死で乗りこなそうとすることで、自分でも驚くほどスキルがあがった」と話してくれた。

私が観戦に行った日はアジアン・ルマンとの併催だったが、入場料は一日2千円で、パドックにも自由に出入りできる。気軽にプロドライバーに話し掛けたり、サインをもらったり、観客がドライバーを身近に感じられるのもこのレースのいいところである。
●インタープロトシリーズ
www.interproto.jp/index.html
問い合わせ先:Inter Proto Series事務局
Tel:0550(76)6181

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text:若林葉子/Yoko Wakabayashi
1971年大阪生まれ。Car&Motorcycle誌編集長。
OL、フリーランスライター・エディターを経て、2005年よりahead編集部に在籍。2017年1月より現職。
2009年からモンゴルラリーに参戦、ナビとして4度、ドライバーとして2度出場し全て完走。2015年のダカールラリーではHINO TEAM SUGAWARA1号車のナビゲーターも務めた。
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