私の永遠の1台 VOL.12 ポルシェ ケイマン

アヘッド ポルシェ ケイマン

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今回のお題、「永遠の一台」と言いつつ、私の頭に浮かんだのは3台。しかし、一台はエピソードがまだ生々しく、私の心の傷がいえていないのでまた次の機会にでも。もう一台も、単純に好きなだけなので…。ということで、「ポルシェ ケイマン」に決定!

text:吉田由美 [aheadアーカイブス vol.171 2017年2月号]
Chapter
VOL.12 ポルシェ ケイマン

VOL.12 ポルシェ ケイマン

今から約9年ほど前に私は「ポルシェ ケイマン」を購入。私にとっては〝ファースト・ポルシェ〟です。最初に新車で輸入車を購入したのは30歳の時。

当時の私は30歳というとオトナだし、そう遠くない将来に自分も結婚して、子供を産んで…そうなると今しか好きなクルマに乗れないかも。なーんて思って、憧れのメルセデスベンツ、赤いボディカラー、オープンカーの3つの願いを叶える「SLK」を購入し、その後も赤いメルセデスベンツをもう1台。

しかし、それでもまだ結婚する気配はないので、さらに憧れのクルマ、「ポルシェ」に手を出してみたのでした。それまでの私の王道ラインでは「ケイマン」より屋根の開く「ボクスター」。もちろん「ボクスター」も考えましたが、「ボクスター」は発売して少し時間が経っていたので、旬というか購入するタイミングを逃したな〜と思ったところで登場したのが「ケイマン」。

数名に「ケイマン」のことを相談すると、全員が口を揃えて「いいじゃない!」と。実はこの時、新型「SLK」もいいかな、とも思ったりもしましたが、同じモデルに戻るのもなんだかつまらない…。というわけで、「ケイマン」の購入を決めました。

乗るたびに、ドアを開けるたびに、「ケイマン」を実感していました。とても好きでした。しかし、そろそろ買い替えも頭をよぎりはじめる購入後3年目の夏の日。

当時、原宿にあった「アウディ・フォーラム」で行われる夏祭りイベントに向かう途中の第三京浜を走行中に、前方からアスファルトをバウンドしながら私のほうにまっすぐ向かってくる大きな塊。

しかし、とっさに左右を見ても避けられるスぺースはなく、私はそのままクルマのボディでまたぐしか選択は無し。するとドンっと、思っていた以上に大きな音と衝撃。

道路脇に寄せてクルマを停め、前のクルマの人に文句でも言おうと思いましたが、ほかにも数台先客が。そこにいたのは私と同じように被害に遭ったクルマたち。

交通機動隊が道路から回収したのは、バイクのマフラーでした。私のクルマの床下には大きな穴。ディーラーで見積もりを出してもらったら修理代300万円。しかも事故車扱い。ということで泣く泣く手放すことにしました。

不幸なお別れをすると、人もクルマも思い出は一層美しく心に刻まれるのかもしれません。

ポルシェ ケイマン

ボクスターから派生したクーペモデル。2005年のフランクフルトショーで3,387ccの初代ケイマンSが発表された。

ミッドシップで軽量という優れた基本要素を持ちながら、ポルシェの王様である911をラップタイムで上回ることがないよう、意図的に配慮した設計がなされたという。翌年には2,687ccのベースグレードのケイマンが追加された。

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text:吉田由美/Yumi Yoshida
短大時代からモデルを始め、国産メーカーのセーフティドライビングのインストラクターを経て、カーライフ・エッセイストに転身。独自の視点で自動車雑誌を中心に、TV、ラジオ、Web、女性誌など広く活躍中。ブログ「なんちゃってセレブなカーライフ」は、1日約20万アクセスの人気を誇る。
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