技術集団・三菱の面目躍如 アウトランダーPHEV

アヘッド アウトランダーPHEV

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何かが足りないなと思っていた近年の日本の自動車市場、その何かはここ、三菱の動きだった。再生(と敢えて言う)第一弾は先のジュネーブショーで発表されたミドルサイズのSUV、「エクリプス・クロス」だが、市販まではまだ少々時間がある。そういう意味では、新たな装備と制御を搭載した'17モデルのアウトランダーPHEVに目が行く。

text:桂 伸一 [aheadアーカイブス vol.173 2017年4月号]
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技術集団・三菱の面目躍如 アウトランダーPHEV

技術集団・三菱の面目躍如 アウトランダーPHEV

走り始めて思わずニヤリ。クルマの走りに何が重要か、そこが判っているメーカーが造ると、クルマはこうなる。まさにクルマと対話しながら操縦できる。そんな感覚だ。

アクセルを踏む、ドライバーがどんな加速を要求しているのか、期待しているのかをアクセルペダルの踏み加減を正確に察知して加速に変える。ステアリング操作に対してもそうだ。ドライバーの要求を上回る必要はない。忠実に正確に操作したとおりに前輪の向きを変えればいい。という当たり前のことが出来ている。

技術集団の三菱である。過去に遡ると、新型が世に送り出される度に「世界初!」技術のなんと多かったことか。他社に先駆け、他と同じことはしない。

今やこの技術を持たないメーカーは生き残れないEVもそうだ。三菱が「i-MiEV」で量産車初のEV世界観を世に知らしめた。そしてプラグインハイブリッドのPHEVも…。

今回の'17アウトランダーPHEVは、市場の声を反映させてEV走行領域を増やすことに注視した。同時にEV専用スイッチを追加して、バッテリー残量にもよるが、早朝〜深夜にモーターのみのEV走行が叶う。

新たに加わったSエディションは欧州で仕上げたビルシュタイン・ショックアブソーバーを装備。そのための補強を加えたことで、鋼のように硬く引き締まったボディと、ビルシュタインがクルマの前後左右の姿勢変化を瞬時に抑え安定(減衰)させる。まるで欧州車のようにシャキッとしている。

ステアリング左右のパドルを操作して、アクセルオフ時の回生ブレーキ(エンジンではないモーターブレーキ)の強弱をコントロールする。左パドルは回生ブレーキを強くし、右パドルは回生ブレーキを弱める方向。

都内の移動でも、加速して車速がのれば即座に右パドルを引き空走(コースティング)させる。減速は左パドルを引きコントロールする。因みにそのまま左パドルを引き続けると2秒ほどで元のDレンジに戻る。

と、まあ乗りっぱなし、乗せられたままの状況から、クルマを操る楽しさを再認識させてくれるのもアウトランダーPHEVの先進性である。先進であり、クルマを操る基本の楽しさを教え直してくれるのだった。
●アウトランダーPHEV
車両本体価格:¥4,789,260
(税込、Sエディション)
排気量:1,998cc
最高出力:87kW(118ps)/4,500rpm
最大トルク:186Nm(19kgm)/4,500rpm
[モーター]
最高出力(前/後):60kW(82ps)/60kW(82ps)
最大トルク(前/後):137Nm(14.0kgm)/195Nm(19.9kgm)

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