70%増の意義を感じる KTM 200DUKE

アヘッド 70%増の意義を感じる KTM 200DUKE

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「Ready to Race」とか「Areyou Ready?」といった、過激なキャッチコピーでおなじみのKTM。そんな同社が作るマシンは、レーシングとストリートの境界があいまいな、あきらかに攻撃的でエキサイティングなマシンばかりだ。

text:鈴木大五郎 photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.116 2012年7月号]
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70%増の意義を感じる KTM 200DUKE

70%増の意義を感じる KTM 200DUKE

しかし、昨年にリリースされた125DUKEは、そんな意識で身構えていると、良い意味で肩透かしをくらってしまうかもしれないマシンだった。125㏄クラスにしては大柄で、シート高も高いということを除けば、過激さなんて1ミリもない。

とにかく乗り易く、125㏄としてみれば十分速い。なんだか敷居の高かったKTMのマシンを、値段だけでなく、走りとしても誰にでも手に届き易いものとすることに成功した。

しかし、完成度の高い車体周りは完全にオーバークオリティーで、正直もう少しパワーがあればなぁ、と乗るたびに感じていた。だから200の登場が噂されてからは、今か、今かと待ちわびるほど。そう、まさに待望のマシンだったのだ。

車体は125と完全同仕様。外観は、200のロゴ、そしてスプロケットの丁数と、エンジンが異なる事によるエキパイの太さ程度しか違いはない。なのに、エンジンパワーでは11馬力上回るというのだから期待は高まる。たかが11馬力と思うなかれ。15馬力が26馬力になったということは、約70%増強されたということだからこれは大変なことなのだ。

走りは期待通りというか、想像通りに、もうちょっと欲しいなと感じていたところに力がついた。70%増だからといって、びっくりするようなパワーではないから敷居の低さはそのまま。高回転重視でギャンギャン回す楽しさは125と同様でサーキットでは、高回転を回しつづける快感が残っている。

しかし、125のように、いったん回転を落としてしまい、「しまった」などと感じていたコーナー立ち上がりでもまったく動ずることがなくなった。これは、一般道においての方が大きな武器になる。武器などというと激しく走らせないといけないイメージだが、豊かになったトルクを使い、急かされることがなくなったのだ。

カタチはほとんど同じでも、走りの幅が広がり、より使えるマシンとなったし、高速道路も乗れて、行動範囲も広くなった。車体には、まだまだ余裕がありそうで、更なるパワフルさを求めてしまいそうになるほど。

いやしかし、そんな必要がないくらいに200DUKEはしっかり走るのである。「ライトウェイトシングル論」の頁でも触れているが、日常的に使えて、短距離、短時間でも満足感を得られることこそ、このライトウェイトシングルの雄200DUKEの最大の魅力だからだ。
全長×全幅×全高:2,029×836×1,267(㎜)
軸間距離:1,350±15㎜
シート高:810㎜ 
車両重量:126kg
エンジン型式・排気量:水冷4ストロークDOHC 4バルブ 単気筒・199.5㏄
最高出力:19kW(26ps)/10,000rpm
最大トルク:26N・m/8,000rpm
燃料タンク容量:11ℓ 
価格:48万9,000円

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商品詳細