軽自動車の白いナンバープレート

アヘッド ナンバープレート

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国土交通省がクルマのナンバープレートに関する規定を緩和して、いわゆる〝ご当地ナンバー〟をつけたクルマが走り出したのは2006年のことで、「富士山」や「鈴鹿」などはすっかり見慣れたものとなった。2020年には「伊勢志摩」や「飛鳥」といったご当地ナンバーが新たに交付される予定だ。

text:山下 剛 [aheadアーカイブス vol.185 2018年4月号]
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軽自動車の白いナンバープレート

軽自動車の白いナンバープレート

最近では、白いナンバープレートをつけた軽自動車や路線バスを見かけて「おや?」と思った人も多いことだろう。これは2019年に開催されるラグビーワールドカップと、2020年の東京オリンピックを支援するものとして昨年から導入されたものだ。

どちらも1000円以上の寄付をすると図柄入りのものを選択でき、寄付をしなくても白無地にそれぞれの大会エンブレムが挿入されたナンバープレートが発行される。既存のものにも適用されるため、とくに軽自動車の黄色から白無地に変更する例が多いようだ。

ところで、意外と知られていないが、原付のナンバープレートはクルマや125㏄以上のバイクとは機能が異なり、軽自動車税を納付したことを示す課税標識だ。そのため図柄のみならず形状も規定されていない。そこに目をつけた愛媛県松山市は2007年、司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」にちなみ、雲のかたちをしたナンバープレートを発行した。埼玉県加須市は鯉のぼりを模した形状のナンバープレートを発行している。

そして今年10月からはご当地ナンバーにも図柄入りが多数登場する。「つくば」は筑波山、「成田」は航空機、「福井」は恐竜の化石、広島カープの「福山」など、土地の景勝や文化を色濃く反映した図柄が描かれる。

アメリカほど多彩ではないものの、この規制緩和は日本の行政が開放的になってきたことを感じさせるし、クルマ文化を熟成させる一助となるはずだ。もちろん、クルマによっては似合わない図柄もあるし、居住地域の図柄が気に入らないなら従来の白無地を選ぶこともできる。

惜しむらくは125㏄以上のバイクでは、希望ナンバーすら未だに導入されていないことだ。管轄団体である全国自動車標板協議会によると、バイクのナンバープレートの場合、分類番号(地域名の右に表記される数字)の桁が少ないため、同一ナンバーに希望が集中してしまうことを理由に採用されていない。また、ナンバープレートの寸法が小さいため分類番号の桁を増やせないという。

図柄入りのナンバープレートの交付は希望ナンバー制度の対象車種に限定されており、バイクの他に事業用軽自動車も対象外だ。同協会は、バイクも希望ナンバーの対象にしてほしいという要望はあるものの導入予定はないとしている。
▶︎東京オリンピック支援を目的とした図柄入りナンバープレート。2019年に開催されるラグビーワールドカップ2019、2020年に開催される東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を記念して、図柄を施した特別仕様ナンバープレートが発行される。申し込むことができる車両は、登録自動車の自家用・事業用、および軽自動車の自家用(一部除く)。

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text:山下 剛/Takeshi Yamashita
1970年生まれ。東京都出身。新聞社写真部アルバイト、編集プロダクションを経てネコ・パブリッシングに入社。BMW BIKES、クラブマン編集部などで経験を積む。2011年マン島TT取材のために会社を辞め、現在はフリーランスライター&カメラマン。
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