ドゥカティを支えるイタリア文化 World Ducati Week 2018

アヘッド ドゥカティを支えるイタリア文化

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圧倒的な景色だった。単一メーカーのオーナーイベントでは、来場者が会場を埋め尽くす景色を何度も目にしてきた。

text:河野正士  [aheadアーカイブス vol.190 2018年9月号]
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ドゥカティを支えるイタリア文化 World Ducati Week 2018

ドゥカティを支えるイタリア文化 World Ducati Week 2018

しかしミザノ・サーキット・マルコ・シモンチェッリに集まったのは、ショートパンツにTシャツにスニーカーという、リゾート地に集う人々と変わらぬ出で立ちで、スーパースポーツやアドベンチャーに跨がっているライダーたち。重厚なウエアを着たライダー集団という、ステレオタイプのイベントイメージとは正反対にあった。

2年に一度、しかも7月のイタリアという、ビビッドな季節と場所で行われるドゥカティの世界最大のオーナーイベント「World Ducati Week/ワールド・ドゥカティ・ウィーク」。今年は開催10回目であり、来場者数の最高記録を更新した。その数、9万1596人。前回から1万人以上も来場者数を増やした。

ドゥカティといえば、レースシーンにおいて常に国産4メーカーを向こうに回し、欧州メーカーとして孤軍奮闘してきた。そしてつねに日本メーカーを追い詰め、タイトル争いを演じている。

それを支えるのが、ここに集まったドゥカティ・オーナーたちだ。みな底抜けに明るく、ドゥカティとドゥカティがある生活を愛し、そしてドゥカティを信じている。
それだけではない。ドゥカティはイタリアそのものだ。それを証明するかのように、発売したばかりのスーパースポーツマシン「パニガーレV4S」を使ったワークスライダーたちのワンメイクレースでは、そのオープニングにイタリア空軍のアクロバティックチームが飛来し、イタリア国旗カラーのスモークで花を添えた。

また今回はミザノ・サーキットを中心とした、イタリア半島のふくらはぎ部分のエミリア=ロマーナ州リミニ県の都市/ミザノ、リミニ、カットリカ、リッチョーネの各自治体から協賛を得て、各都市で音楽コンサートを含めた大規模な屋外イベント(クラブに近いノリのものも)を開催。当然、各会場にはドゥカティとそのオーナーで溢れた。

すこし言葉はラフだが、オラが国のトップブランドがお祭りやるんだったら協力せねば!! 的なノリを感じるのだ。

もちろんそこには各地域の経済効果だの、インバウンドだの、コンプライアンスだの面倒な問題はあるだろうが、そこはグッとオブラートに包み、まずはドゥカティを、強いてはイタリアを盛り上げようとする姿勢には、感服と言うよりも羨ましさを感じた。

各メーカーの個性は、その製品に反映される。しかしその製品を愛するユーザーこそ、そのメーカーの個性なのではないか。ここミザノで、そう感じたのだった。

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text : 河野正士/Tadashi Kohno
1968年高知県生まれ。フリーライター。二輪専門誌の編集を経験した後、フリーランスのライター、編集者として活動。数年前にオフロードにも目覚め、年に数回のフリーライディングを楽しむが、ときどきハングオンしてしまう万年初心者ライダー。それを克服しようと、日夜Youtubeのオンボード映像でイメトレに励む毎日。

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