日産GT-R50 by イタルデザイン

日産GT-R50 by イタルデザイン

アヘッド 日産GT-R50 by イタルデザイン

日産GT-R50 byイタルデザインは、GT-R ニスモをベースとするプロトタイプで、その名が表しているように日産とイタルデザインの初の提携によって生まれた。

GT-Rとイタルデザイン、両方の生誕50周年を祝うモデルでもあり、限定50台以下を生産し、90万ユーロ以上で販売する可能性がある。

1ユーロ=130円として1億1700万円!フツウのGT-Rなら11台、GT-Rニスモだって6台買っておつりがくる!!

日産とイタリアのカロッツェリアのコラボといえば、バブル真っ只中の1989年に発売されたオーテック・ザガート・ステルビオがある。名門ザガートと日産の子会社のオーテックジャパンが共同開発したとされるこれは限定200台が1870万円で販売された。

ベースとなった2代目レパードは492万円だったから、当時はトンデモナイと筆者は思っていたけれど、いまから考えると妥当な金額だったのかもしれない。

イタルGT-R50が1億円以上もするのは、ひとつには開発と設計も請け負うイタルデザインが顧客一人ひとりの好みに合わせてイタリアの職人技でもってテイラーメイドするからだ。

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さらに、3.8リッターV6のVR38DETTエンジンが、最高出力600psから120psアップの720psにまで強化される。しかも、それはニスモで、手作業で組み立てられる。おまけにGT-R50は地球上で50人しか手にすることができない!

イタルGT-R50の真骨頂は、真面目なニッポン人からすると、トンデモナイ価格それ自体にある。

21世紀のこんにち、限定生産のスーパーカーは2億、3億が当たり前だ。フェラーリのラ・フェラーリやJ50、GT-Rが仮想敵としてきたポルシェの918スパイダー等々の価格を思い出してほしい。これが成功すれば、GT-Rはスーパーカーからハイパーカー・リーグに入ることができる。GT-Rは次のステップに踏み出すにあたってイタリアのカロッツェリアの力を借りたのだ。

あいにく2007年に登場した現行R35GT-Rは12年目を迎えようというのに次期型の姿はまったく見えていない。このGT-RのスペチアーレでGT-Rは世界の超富裕層の欲望の対象である、と改めて証明できれば、GT-Rは大いに盛り返すことができるに違いない。

問題はなぜ開発・設計・生産をイタルデザインに託したか、である。これがイタル側からのアプローチ(営業)だとすれば、ジウジアーロなきイタルは揺れているのかもしれない……。

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▶︎デザインそれ自体は日産社内によるもので、開発・設計・生産がイタルデザインだとされている。サナギになった現行GT-Rのなかから次のGT-Rが出てくるみたいなリアの2トーンの造形は4次元的かつ新しい。魅力的だと思う。

2010年にイタルデザインを買収したVWの狙いは、当初から ”マエストロ”ジウジアーロではなくて、アルド・マントヴァーニ率いるエンジニアリング部門だったという説もある。それはVWグループのために使われると思っていたら、そうではなかった、のかもしれない。

いずれにせよ気になるのは、GT-Rは1969年誕生で、イタルデザインはその前年の1968年創立だということ。1歳違いなのに同じ年に祝50歳ってどうなんでしょう。 無理やり付加価値をつくり出そうとしている、ように思えないこともない。(今尾直樹)

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text:今尾直樹/Naoki Imao
1960年生まれ。雑誌『NAVI』『ENGINE』を経て、現在はフリーランスのエディター、自動車ジャーナリストとして活動。現在の愛車は60万円で購入した2002年式ルーテシアR.S.。

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