岡崎五朗のクルマでいきたい VOL.162 XC60がトップを射止めた理由

VOL.162 XC60がトップを射止めた理由

アヘッド 岡崎五朗のクルマでいきたい

輸入車としては過去、現行ゴルフが本賞を受賞しているが、XC60はスターティングプライスが599万円という高価格車。2位のBMW5シリーズも600万円オーバーと、たしかにちょっと浮世離れしたクルマが上位2台を占めてしまった。

原因は日本車の票割れだ。持ち点25点のうち最高点の10点を投じた選考委員がカムリ14人、スイフト11人、N-BOX10人と割れ、しかも点を入れなかった選考委員がカムリ16人、スイフト26人、N-BOX27人と多かった。その点、XC60と5シリーズは満点こそ少なかったものの5点、6点をまんべんなく獲得し合計点で上位に立った。

正直、スイフトに最高点を投じた僕としても意外な結果に思えた。が、誰もが納得する賞とはあらかじめ結果が見えている賞とも言えるわけで、そんなのはつまらないな、とも思う。そしてなにより、カー・オブ・ザ・イヤーはそれなりの見識を持つ60人の専門家が熟慮した上で決めたのだから、結果を受け入れ、勝者を讃えたいと思う。

そのうえでXC60について書くなら、今回の受賞は同じく今年デビューしたV90を含めた最近のボルボへの評価だったと解釈している。かつて安全とステーションワゴンという二つの要素でそれなりの人気を獲得していたボルボだが、現行XC90以降はそこに「卓越したデザインと質感」という新たな魅力を吹き込むことに成功した。

デザイン面で手詰まり感を拭えないドイツ勢や、迷走気味の日本勢(とくにトヨタ)とは対照的に、その美しいスタイルには自己のアイデンティティを明確に掴んだ気配が濃厚に漂う。しかもそれを、煩雑なデザインではなく「More is Less」というシンプルなデザインで見事に表現してみせているのが素晴らしい。

電動車両に特化したポールスターブランドの設立や、2018年中に登場予定の新型S/V60シリーズ、XC40といったニューモデルを含め、元気を取り戻したボルボからはしばらく目が離せない。

選考結果はhttp://www.jcoty.org/result/

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